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高校や中学校で絵本の授業をさせていただけませんか?
中学生や高校生に
絵本の授業をしたいと熱望しています。
なぜなら
十代の彼らの感受性をもって絵本に出会ってほしいし
そこで起きる化学反応のようなものに
非常に興味があるからです。
そもそも
絵本はもっと幼い子どものものだと思われていますし
実際、絵本の対象年齢は就学前くらいのものが
ほとんどなんだと思います。
けれども、
中学生が
「いないいないばあ」の表紙を目にしたとき
どんな声を発するか
どんな表情をするか
どんな心の動きがあるか
知りたいと思いませんか?
わたしは
すごく知りたいです。
目次
中学生に絵本の授業
神奈川県秦野市立東中学校の1年生3クラスと2年生2クラスに
絵本の授業をさせていただきました。
国語の時間を1コマいただきました。
授業の大きなテーマは
「絵本の絵を読む」としました。
1 自己紹介
2 アイスブレイク絵本
3 絵本の絵を読む体験
4 日本で一番売れている絵本の秘密
5 まとめ
最初にちょっとした
雑談から始めます。
壁に京都のことを調べた模造紙が貼ってありました。
「京都に行くんですか?」と聞くと
修学旅行で京都に行くので調べたそうです。
「京都のおすすめはなんですか?」と聞きますと
「バームクーヘン」と教えてくれました。
余計なことかもしれませんが、彼らの「ホーム」に仲間入りさせてもらうための
ちょっとした、小さなわたしの努力です。
最初に、しりとり遊び絵本を読みました。
表紙を見せると
「懐かし〜」という子がいました。
「あ」から始まる言葉で
中学2年生がどんな言葉を挙げると思いますか?
「あり」
「アイルランド」
「アイス」
「アルプス」
「アルメニア」
「アスファルト」
「アイルランド」
「あめんぼう」
「アフタヌーン」
・・・
中学生がもってる言葉を
どんどん出してきてくれて
笑いが起き、盛り上がりました。
思いがけない言葉を発することで、その子の意外な一面を知ることができたかもしれません。
やたらと、国名を連呼する生徒もいました。
わたしの狙いは、「これから始まる絵本の授業は、どうやら楽しいものらしい」と感じてもらうことです。
そして、考えて声を出すことによって、主体的に授業に参加してもらう空気を作ることです。
そして、
こんなふうに授業を続けます。
「皆さんは、今、何歳ですか?」
「14歳」「13歳」
「13歳、14歳は、大人ですか? 子どもですか?」
「大人!」「子ども!」
「みんなは、今、『大人の階段』を登っている最中なんだと思います。
登り方は、みんな違うと思います。
早く登る人もいれば、ゆっくり登っている人もいると思います。
大人と子どもでは、絵本の『読み方』が違うとわたしは考えています。
大人になると、絵本の「字」を読みます。
でも、子どもは、絵本の「絵」を読みます。
これから、絵本の「絵」を読む体験を皆さんにしていただきたいと思います」
そして、
絵を意識して読んで、感じたことを、教えてもらいます。
座席表が教卓にあったので、ランダムに指名して答えてもらいました。
(↑これ、やってみたかったんです)
今まで、同じ絵本をいろんな人に「絵を読む」体験をしてもらって、
たくさんのエピソードをご紹介しました。
絵本の絵を読んで、どう感じるかは、全部、自由。間違いはない。
年齢、性別、その人の暮らし方の違いなどによって、感じることはみんな違う。
「想像力」を育む
いったい、どうやって?と疑問に思うのですが、この時間がまさに
「想像力」を育む時間になっているのではないか、と考えています。
誰かに絵本を読んでもらう時間が、知らず知らずのうちに、勝手に、自然に「想像力」を育む時間になっているのではないか、と思います。
次に、「日本で一番売れている絵本」が
なぜ、一番売れているかを一緒に考えました。
「この絵本を赤ちゃんに読んだら、どんな反応をすると思いますか?」と質問すると
「笑う」と
即答してくれた生徒がいました。
そうなんです。
じゃあ、なぜ、生まれてすぐの赤ちゃんが笑うのか?について
考えました。
そこに絵本の持っている役割、力があると考えています。
つまり、絵本は「コミュニケーションツール」である、ということです。
言葉も話せない赤ちゃんと、いったいどんなふうにコミュニケーションできるのか、ということについてお話ししました。
これから先、彼らが大人になって、赤ちゃんや幼児さんに絵本を読むことがあるとしたら、今日のこの授業をチラッと思い出して欲しいなあと思います。
たまには、絵本を手に取って読んでみて欲しいです。
中学生の感想(一部抜粋)
□子供でもきちんと分かるように書かれているところがすごいと思いました。
□絵を描く人や、文を書く人によってその絵本の個性が出る事がわかりました
□赤ちゃんは同じ言葉の繰り返しが好きなんだろうなと思いました。
□絵本は子供だけのものじゃない
□絵本はどんな年代の方でも読む事のできるものなんだなと思いました。
□私は絵本は小さい子供用だと思っていましたが、上甲さんの話で自分の中での「絵本」という存在の考え方が変わりました。
□絵本は、あたり前のことだけど絵が中心で書かれていて想像がしやすいようなものになっているんだなと思いました。
だから、誰が見ても何かしら想像をすることができるし、大人になって読んでみて改めて考えてみても良いのかなと思いました。
□最近は絵本を読むことがなかったけれど、シンプルでやわらかくメッセージが伝わってくる感じがいいなと思いました。
□いつもは小説しか読むことがないので、久しぶりに絵本を読みました。
小説は、文から色々な場面を想像して楽しむことができるけど、絵本は、絵から色々なことを読み取ったり、ページをめくるたびにドキドキさせるような本だなと思いました。
□私はあまり本を読む機会がなく、読みたいと思っても時間がなくて読むのをやめてしまったり、途中まで読んでやめてしまったりしていたけど、もともと知っている本 知らない本、簡単な本 難しい本、、、少しでも興味を持ったら読んでみると、自分自身の心の中で大きな変化があるのかなと思いました。
□絵本の新しい見方を見つけられました。
もっと面白く絵本を見れるようになった。
□今までの読み聞かせは、聞いて、「楽しかったぁ、面白かったぁ」で終わってしまっていたけど、上甲さんの読み聞かせは、ある一つの視点から本の内容を読み取る、というような考える作業ではあるけど、一つに絞られているのでとても考えやすく、みんなで楽しみながら聞く(読む)ことができました。
□最初は「本の読み聞かせか〜」とちょっと嫌な感じだったけれど上甲さんの読み聞かせを聞いて凄く楽しかったし聞けてよかったなと思いました!
□今まで絵本は幼稚園生とかが読むような簡単なものだと思っていたけど、絵から読み取ったり文を聞いたりして、そこには書かれていない言葉を想像したり、自分が思ったことを伝えあったりしたことで、絵本だけど小説のように深く読み取ることができたんだなと思いました。
こんなテーマで絵本の授業をしたい
また、もっと授業数をいただけたら、絵本を使ってこんなテーマでも授業をしたいです。
・相手の気持ちを知ろうとする 〜マイノリティとマジョリティ〜
・誰かを好きになる気持ちを絵本を入り口に徹底分析
・もしも、自分が戦地に赴くことになったら 〜戦争と平和を自分ごととして考える〜
・中学生の一日。子どもの一日。大人の一日。抽象的な概念である「時間」について考える。
・日本語の楽しさ、面白さを見つける、味わう。 昔の言葉、オノマトペ、リズム、回文、しりとりなど
・英語の絵本と日本語の絵本の読み比べ 翻訳者の工夫に迫る
実績
今までこちらの中学・高校で絵本を使った授業をさせていただきました。
2018年11月 山梨県南都留郡忍野村立忍野中学校(1年生・国語)
2019年2月 神奈川県足柄上郡大井町立湘光中学校(1年生・道徳)
2019年3月 神奈川県足柄上郡大井町立湘光中学校(2年生・道徳)
2022年7月 神奈川県立吉田島高校(3年生・子ども文化)
2022年12月 神奈川県秦野市立東中学校(1年生・国語)
2023年2月 神奈川県秦野市立東中学校(2年生・国語)
2023年4月 神奈川県立吉田島高校(3年生・子ども文化)
2024年4月 神奈川県立吉田島高校(3年生・子ども文化)
文化祭など、行事の際にイベントとしてお声かけいただくこともあります。
2012年10月〜2019年10月 神奈川県南足柄市立岡本中学校文化祭ミニ講座「ことばの世界」
2019年10月 神奈川県足柄上郡大井町立湘光中学校文化祭
高校や中学校で絵本の授業をさせていただけませんか?
国語や道徳の時間に、絵本の授業をさせてください。
自己肯定感、自尊心、対話、相互理解、多様性、具体と抽象、主体的な学び、言語化を深める、など
形には見えないものを育むきっかけとなる時間になるかもしれません。
お試しで、短い時間でも結構です。
中学生、高校生と絵本の時間を共有させていただけないでしょうか。
料金等は、ご相談させてください。