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いざこざや恥ずかしさやしんどさも全部含めて深い学び『うさぎになった日』
『うさぎになった日』
(村中李衣 文 しらとあきこ 絵 世界文化社 2024年3月初版)
4回か5回、ジワ〜〜〜っと涙が滲みました。
いくつかの短いお話といくつかの詩が収められています。
(以下引用)
うさぎ、うさぎ
よわいからって、つよくないわけじゃない
よわいからこそつよい、ってことだってある
だれでも、心の中に、うさぎがいる
(引用ここまで)
1つめの
「うさぎになった日」というお話の中に出てくるあるエピソードに似ていることは、わたしは李衣さんの実体験としてお話を伺ったことがあります。
それか李衣さんの著作で読んだんだったか、直接お話を伺ったんだったか。
それが思い出せないのだけど。
りこちゃんは、恥ずかしがり屋。
声に出さなくてもたくさん話したいことがあることがわかった先生がプレゼントしてくれたもの。先生との交換日記のような「おしゃべりノート」。
このノートのおかげで、りこちゃんは言えないけど、書くことで先生とおしゃべりできるようにります。
でもあるとき、書いた言葉を勝手に書き換えられていました。
りこちゃんは怒ります。
李衣さんのお父様が幼い李衣さんにしたすごく嫌だったこととしてわたしはそのエピソードを聞いた(読んだ)と思います。
実体験と物語は違う。
ただ、自分の体験を書いたんじゃない。
それを物語として、なんて言えばいいんだろう、変化? 変質? 昇華? されていて、ああ、これがプロなのかと、少しの間、読み進めることができないほど感動しました。
李衣さんは、それをされてすごく嫌だった。
りこちゃんは、口に食べ物を入れたまま、怒ります。
そのときの嫌な気持ちをちゃんと言葉を尽くして語っているわけじゃないのに、その嫌な気持ちがすごくよくわかる。
頼んでもいないのに、自分の書いた文章を勝手に直すのは、尊厳を踏み躙るくらい失礼なこと。相手が子どもだからってやっちゃいけないこと。
人として。
それがすごく伝わりました。
「うさぎのおかあさん」というお話し。
学習発表会で劇をやることになった なな。
うまくセリフが言えなくて、みんなに笑われて、涙が出てしまいます。
(以下引用)
「うさぎのおかあさんの気持ちになって、ちゃんとやってよね。これはみんなの劇なんだから」
(引用ここまで)
劇の練習で、陽子ちゃんにこう言われた なな。
そのななに、こうきくんが本物の「うさぎのおかあさん」を見せてくれるんです。
「うさぎのおかあさんの気持ち」
ななにも、わたしにも
「うさぎのおかあさんの気持ち」
を想像することができるのです。
その優しさと強さにグッとくる。
こうきくんは、ななに教えてくれます。
うさぎのお母さんは、赤ちゃんを守るためにお乳をあげるとき以外は巣穴に近づかないこと。敵に見つかっちゃうから。
もうすぐ赤ちゃんが生まれるってころに、草をいっぱい集めて巣箱に入れる。
自分のおなかとか胸とか脚とか、柔らかい毛を引っこ抜いて、ふわふわのベッドを作ること。
そして巣穴を背にして赤ちゃんの命をじっと守っている。
もしも、学芸会をただスマートにやりこなすだけだったら、ななは、本当の意味で
「うさぎのおかあさんの気持ち」をこんなに考えたりしなかったかもしれない。
苦手な子には、人前で舞台の上でセリフを言うなんて、本当に辛い、やりたくない、けど、劇で得るものってあるのかもなって思う。
ちょうど、ちょっと前に何度目かの再読をしていた、ブレイディみかこさんの
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)の中で、イギリスの中学では「ドラマ(演劇)」の授業が必修だと。
それは、日常的な生活の中での言葉を使った自己表現力、創造性、コミュニケーション力を高めるための教科、なんだそうです。
わたしが小学生の頃、学芸会、本当に嫌だったけど、でも、今考えたら、あのみんなで一つの劇を作り上げる中での、いざこざや恥ずかしさやしんどさも全部含めてすごい深い学びだったな〜と振り返っていたところ。
演劇、じゃないけど、インプロ遊び、やります。
これはまさに
言葉を使った自己表現力、
創造性、
コミュニケーション力を高める
短時間でできる素晴らしいワークショップです。
ぜひ。
大人のための
絵本&インプロあそびワークショップ
日時 2024年6月2日(日) 13:30〜15:30
場所 絵本セラピスト協会 セミナールーム(中央区日本橋浜町2-46-1 くぼげんビル3F)
参加費 3300円
定員 12人
持ち物 飲み物、(必要な方はルームシューズ)
詳しくはこちらからご覧ください
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
↓
インスタグラムで『うさぎになった日』について喋ってます
2023年11月に村中李衣さんの講演会を主催しました。
講演会レポートはこちら
(村中李衣 文 しらとあきこ 絵 世界文化社 2024年3月初版)
4回か5回、ジワ〜〜〜っと涙が滲みました。
いくつかの短いお話といくつかの詩が収められています。
(以下引用)
うさぎ、うさぎ
よわいからって、つよくないわけじゃない
よわいからこそつよい、ってことだってある
だれでも、心の中に、うさぎがいる
(引用ここまで)
1つめの
「うさぎになった日」というお話の中に出てくるあるエピソードに似ていることは、わたしは李衣さんの実体験としてお話を伺ったことがあります。
それか李衣さんの著作で読んだんだったか、直接お話を伺ったんだったか。
それが思い出せないのだけど。
りこちゃんは、恥ずかしがり屋。
声に出さなくてもたくさん話したいことがあることがわかった先生がプレゼントしてくれたもの。先生との交換日記のような「おしゃべりノート」。
このノートのおかげで、りこちゃんは言えないけど、書くことで先生とおしゃべりできるようにります。
でもあるとき、書いた言葉を勝手に書き換えられていました。
りこちゃんは怒ります。
李衣さんのお父様が幼い李衣さんにしたすごく嫌だったこととしてわたしはそのエピソードを聞いた(読んだ)と思います。
実体験と物語は違う。
ただ、自分の体験を書いたんじゃない。
それを物語として、なんて言えばいいんだろう、変化? 変質? 昇華? されていて、ああ、これがプロなのかと、少しの間、読み進めることができないほど感動しました。
李衣さんは、それをされてすごく嫌だった。
りこちゃんは、口に食べ物を入れたまま、怒ります。
そのときの嫌な気持ちをちゃんと言葉を尽くして語っているわけじゃないのに、その嫌な気持ちがすごくよくわかる。
頼んでもいないのに、自分の書いた文章を勝手に直すのは、尊厳を踏み躙るくらい失礼なこと。相手が子どもだからってやっちゃいけないこと。
人として。
それがすごく伝わりました。
「うさぎのおかあさん」というお話し。
学習発表会で劇をやることになった なな。
うまくセリフが言えなくて、みんなに笑われて、涙が出てしまいます。
(以下引用)
「うさぎのおかあさんの気持ちになって、ちゃんとやってよね。これはみんなの劇なんだから」
(引用ここまで)
劇の練習で、陽子ちゃんにこう言われた なな。
そのななに、こうきくんが本物の「うさぎのおかあさん」を見せてくれるんです。
「うさぎのおかあさんの気持ち」
ななにも、わたしにも
「うさぎのおかあさんの気持ち」
を想像することができるのです。
その優しさと強さにグッとくる。
こうきくんは、ななに教えてくれます。
うさぎのお母さんは、赤ちゃんを守るためにお乳をあげるとき以外は巣穴に近づかないこと。敵に見つかっちゃうから。
もうすぐ赤ちゃんが生まれるってころに、草をいっぱい集めて巣箱に入れる。
自分のおなかとか胸とか脚とか、柔らかい毛を引っこ抜いて、ふわふわのベッドを作ること。
そして巣穴を背にして赤ちゃんの命をじっと守っている。
もしも、学芸会をただスマートにやりこなすだけだったら、ななは、本当の意味で
「うさぎのおかあさんの気持ち」をこんなに考えたりしなかったかもしれない。
苦手な子には、人前で舞台の上でセリフを言うなんて、本当に辛い、やりたくない、けど、劇で得るものってあるのかもなって思う。
ちょうど、ちょっと前に何度目かの再読をしていた、ブレイディみかこさんの
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)の中で、イギリスの中学では「ドラマ(演劇)」の授業が必修だと。
それは、日常的な生活の中での言葉を使った自己表現力、創造性、コミュニケーション力を高めるための教科、なんだそうです。
わたしが小学生の頃、学芸会、本当に嫌だったけど、でも、今考えたら、あのみんなで一つの劇を作り上げる中での、いざこざや恥ずかしさやしんどさも全部含めてすごい深い学びだったな〜と振り返っていたところ。
演劇、じゃないけど、インプロ遊び、やります。
これはまさに
言葉を使った自己表現力、
創造性、
コミュニケーション力を高める
短時間でできる素晴らしいワークショップです。
ぜひ。
大人のための
絵本&インプロあそびワークショップ
日時 2024年6月2日(日) 13:30〜15:30
場所 絵本セラピスト協会 セミナールーム(中央区日本橋浜町2-46-1 くぼげんビル3F)
参加費 3300円
定員 12人
持ち物 飲み物、(必要な方はルームシューズ)
詳しくはこちらからご覧ください
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
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インスタグラムで『うさぎになった日』について喋ってます
2023年11月に村中李衣さんの講演会を主催しました。
講演会レポートはこちら