Blog ブログ

体験入学受付中

HOME // ブログ // 文化的な遊びを幼い子も大人も一緒に体感できる絵本『ことばあそびうた』

Blog ブログ

CATEGORY


おすすめ絵本

文化的な遊びを幼い子も大人も一緒に体感できる絵本『ことばあそびうた』

ことばあそびうた
(谷川俊太郎 詩 瀬川康男 絵 福音館書店 1973年10月)



循環するお庭(とわたしが勝手に読んでいる個人のお宅のお庭)で、毎月、シニアの皆さんと絵本を楽しんでいます。

少し前、この絵本を読みました。

すると、思いがけないことに、循環するお庭のオーナーさんが、一緒に声をそろえて、唱えてくれたんです。

この絵本に書かれている文字を読んでいるわけではなくて、
あたかも、体の中に入っていた「ことば」が踊り出してくるような。

今まで、数えたことがないほど、誰かと絵本を読んできましたが、ベスト10に入るくらい心躍る時間となりました。

聞けば、オーナーさんは、幼い息子さんと同居しているお姑さんと3人で、この『ことばあそびうた』を読んでいたそうです。

そのときの親密なあたたかさや愛おしさや楽しげな空気をまとって、「ことば」が口をついて踊り出してきた。

1冊の絵本が、家族の時間を、紐づけている感じ。

その糸にぶらぶらと一緒に過ごした時間がぶら下がってる。

本棚に収まっている絵本を引っ張り出して、開いて、声に出すだけで、
そのぶらぶらくっついてる 愛しいものが
ひょっこり顔をのぞかせる。

そういうことが起きるんだなあと思い返しています。

わたしにとって、この絵本はそういう絵本ではないです。

それほど、頻繁にリクエストされなかったし、埋もれちゃっていた気がします。

でも、誰かのそのぶらぶらを垣間見させてもらえた気がして、絵本ってそういうこともしちゃうのね。


英題がついていて、これ、どなたが考えるのかしらね。
『WORD GAMES: Nonsense Pictures and Rhymes』→意味のない絵とリズム


(以下引用)

「ののはな」

はなののののはな
はなのななあに
なずななのはな
なもないのばな

(引用ここまで)

日本語は、表記するとき、漢字、ひらがな、カタカナ、句読点などを混ぜて使うことで読みやすくなります。

例えば こんなふうに


花野の野の花
花の名なあに
ナズナ菜の花
名もない野花


(以下引用)

「かっぱ」

かっぱかっぱらった
かっぱらっぱかっぱらった
とってちってた

かっぱなっぱかった
かっぱなっぱいっぱかった
かってきってくった

(引用ここまで)

日本語のちいちゃい「っ」
促音(そくおん)
つまる言葉を重ねることでの
おもしろさと
ちっちゃい「゜」
半濁点の「ぱ」を重ねるおもしろさが
畳みかけられる


(以下引用)

「だって」

ぶったって
けったって
いててのてって
いったって

たってたって
つったってたって
つったって
ないてたって

いったって
いっちゃったって
どっかへ
そっとでてったって

いたって
あったって
ばったとって
うってたって

(引用ここまで)

伝聞の「って」を重ね重ね重ねる
それで詩になってる
ストーリーになってる

つい
声に出したくなる
日本語なんだなあ

耳で聞いてる子どもも楽しい。

表記文字を
声に出す
音に
変換することの
おもしろさを
大人も同時に味わえるのがすごい。

文化的な遊びを幼い子も大人と一緒に1冊の絵本で体感できるのがすごい。

この谷川俊太郎さんの遊び心満載の詩に
瀬川康男さんの、民芸品みたいな図案化されたような絵。
よく見ないと何を描かれているか
よくわからないのだけど、じっくりよく見ると
なんとも可笑しみがじわじわ漂うことに
今、気づき。


数年前、「第1回 谷川俊太郎の絵本を読み合う会」を開催したときに
ユーリさんが持参してくれた絵本。

ことばあそびうた
(谷川俊太郎 詩 瀬川康男 絵 福音館書店 1973年10月)


#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ

インスタグラムでも『ことばあそびうた』ご紹介しています



ブログ一覧