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荒ぶるハンバーグたちに圧倒される『ハンバーグーチョキパー』
『ハンバーグーチョキパー』(長新太作絵 和田誠しあげ 福音館書店 こどものとも年少版 2009年3月号)
![](https://osekkainaobasan.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8377.jpg)
毎月一度、お邪魔している保育園で、幼児組のみんなに読んだ絵本です。
3歳、4歳、5歳の彼ら。
ゴールデンウィーク明け。
なんだかすごくザワめいていて、落ち着かない感じ。
ゲラゲラ大笑いはいいんだけど、わたしの絵本を読む声が聞こえないよね?
「ちなみに、今日のお昼ご飯はなんだったんですか?」と聞いてみました。
そしたら、口々に答えてくれました。
「そっか、そっか、じゃあ、この絵本を読みます」と おもむろに読み始めました。
するとなぜか、あんなににぎやかだった彼らが、一瞬、シーンとなったんです。
なぜだろう?
長さんのあまりのナンセンスに黙らされた感?
口をポカンと開けて、あっけに取られてる感?
何が起きているの?
こんな内容です。
地平線の彼方が見渡せる広いところの一本道をハンバーグが歩いてます。
すると向こうからハンバーグがやってきます。
ぶつかり合ってケンカが始まります。
「グチャグチャグチャグチャハンバーグー」
ここは、勝手ながら、繰り返して読みました。
荒ぶるハンバーグたちに、園児さんは、笑っていいもんか、ハラハラ心配そうな子もいます。
ハンバーグたちは、じゃんけんを始めます。
しばらくあいこが続きます。
勝ったほうが
「それでは バイバイ さようなら」
と手を振って去っていきます。
え? 相変わらずキョトンとしている園児さんたち。
どうだ、まいったか! って感じで黙らせた感がすごい(笑)
長さん、すごいわ。
この絵本は、2019年に愛知県安城市の絵本専門店 花のき村さんで購入しました。
定価380円(税込)です。
「安いな」と店長の伊藤さん、レジ打つとき笑ってました。ほんとね。
この絵本は、今は購入しづらいみたいです。
福音館書店のホームページにはこうあります。
「長さんが亡くなる前に残した絵本の下書きに、和田誠が色を付け、デザインし、完成させました。」
もっと詳しくは、折込付録にありました。
(以下引用)
絵本のたのしみ 作者のことばより
「長さんだったら?」
和田誠
長さんが亡くなったショックは当然大きいんだけれども、絵本にするための長さんのラフスケッチが何冊分も福音館に残されていたというのも、ある種のショックでしたね。体調が思わしくなくても、まだまだ絵本を作ろうという意欲をお持ちだったということですからね。未完のままであることが実にもったいないし、長さんご自身だって残念でしょうし。
で、福音館はぼくに「このスケッチを絵本として完成させませんか」と提案しました。それは嬉しい提案ですよ。憧れの長さんと合作ができるわけですから。でも嬉しいだけじゃない。緊張も大きいです。全国の長さんファンから「せっかくの長さんの作品をぶち壊しやがって」とブーイングされる可能性だってないとは言えないもの。
嬉しさと緊張が入り混じったまま「わんわん にゃーにゃー」と「プアー」を完成させました。(中略)
さて今度は「ハンバーグーチョキパー」。前の2冊は黒ベタの多いスケッチでしたが、これは線画だけ。そこで前とは違う方法にしました。長さんの線画をそのまんま生かすのは前回通りですが、今回は絵具を使ってカラフルに色をつけたんです。
長さんだったらこの色にするかなー、こういうタッチになるかな〜、ちょっと違うかなー、とかいろいろ悩みながらね。結局長さんふうでもあり、和田ふうもどうしても顔を出しちゃう、ということになりましたが、これでよかったでしょうか長さん。
(引用ここまで)
これでよかったも何も、良いに決まってる、子どもたちがそれをわかってる。
スケッチブックの中にあるだけだったら、わたしたちは、永遠に出会えないんだもの。
出会えて嬉しい。
できればハードカバーにして、誰でも買えるようにしてほしいです。
2021年 買ってよかった絵本ベスト9 にもあげました。
以前もインスタライブでご紹介してました
『ハンバーグーチョキパー』(長新太作絵 和田誠しあげ 福音館書店 こどものとも年少版 2009年3月号)
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
↓
インスタグラムでも『ハンバーグーチョキパー』ご紹介しています
![](https://osekkainaobasan.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_8377.jpg)
毎月一度、お邪魔している保育園で、幼児組のみんなに読んだ絵本です。
3歳、4歳、5歳の彼ら。
ゴールデンウィーク明け。
なんだかすごくザワめいていて、落ち着かない感じ。
ゲラゲラ大笑いはいいんだけど、わたしの絵本を読む声が聞こえないよね?
「ちなみに、今日のお昼ご飯はなんだったんですか?」と聞いてみました。
そしたら、口々に答えてくれました。
「そっか、そっか、じゃあ、この絵本を読みます」と おもむろに読み始めました。
するとなぜか、あんなににぎやかだった彼らが、一瞬、シーンとなったんです。
なぜだろう?
長さんのあまりのナンセンスに黙らされた感?
口をポカンと開けて、あっけに取られてる感?
何が起きているの?
こんな内容です。
地平線の彼方が見渡せる広いところの一本道をハンバーグが歩いてます。
すると向こうからハンバーグがやってきます。
ぶつかり合ってケンカが始まります。
「グチャグチャグチャグチャハンバーグー」
ここは、勝手ながら、繰り返して読みました。
荒ぶるハンバーグたちに、園児さんは、笑っていいもんか、ハラハラ心配そうな子もいます。
ハンバーグたちは、じゃんけんを始めます。
しばらくあいこが続きます。
勝ったほうが
「それでは バイバイ さようなら」
と手を振って去っていきます。
え? 相変わらずキョトンとしている園児さんたち。
どうだ、まいったか! って感じで黙らせた感がすごい(笑)
長さん、すごいわ。
この絵本は、2019年に愛知県安城市の絵本専門店 花のき村さんで購入しました。
定価380円(税込)です。
「安いな」と店長の伊藤さん、レジ打つとき笑ってました。ほんとね。
この絵本は、今は購入しづらいみたいです。
福音館書店のホームページにはこうあります。
「長さんが亡くなる前に残した絵本の下書きに、和田誠が色を付け、デザインし、完成させました。」
もっと詳しくは、折込付録にありました。
(以下引用)
絵本のたのしみ 作者のことばより
「長さんだったら?」
和田誠
長さんが亡くなったショックは当然大きいんだけれども、絵本にするための長さんのラフスケッチが何冊分も福音館に残されていたというのも、ある種のショックでしたね。体調が思わしくなくても、まだまだ絵本を作ろうという意欲をお持ちだったということですからね。未完のままであることが実にもったいないし、長さんご自身だって残念でしょうし。
で、福音館はぼくに「このスケッチを絵本として完成させませんか」と提案しました。それは嬉しい提案ですよ。憧れの長さんと合作ができるわけですから。でも嬉しいだけじゃない。緊張も大きいです。全国の長さんファンから「せっかくの長さんの作品をぶち壊しやがって」とブーイングされる可能性だってないとは言えないもの。
嬉しさと緊張が入り混じったまま「わんわん にゃーにゃー」と「プアー」を完成させました。(中略)
さて今度は「ハンバーグーチョキパー」。前の2冊は黒ベタの多いスケッチでしたが、これは線画だけ。そこで前とは違う方法にしました。長さんの線画をそのまんま生かすのは前回通りですが、今回は絵具を使ってカラフルに色をつけたんです。
長さんだったらこの色にするかなー、こういうタッチになるかな〜、ちょっと違うかなー、とかいろいろ悩みながらね。結局長さんふうでもあり、和田ふうもどうしても顔を出しちゃう、ということになりましたが、これでよかったでしょうか長さん。
(引用ここまで)
これでよかったも何も、良いに決まってる、子どもたちがそれをわかってる。
スケッチブックの中にあるだけだったら、わたしたちは、永遠に出会えないんだもの。
出会えて嬉しい。
できればハードカバーにして、誰でも買えるようにしてほしいです。
2021年 買ってよかった絵本ベスト9 にもあげました。
以前もインスタライブでご紹介してました
『ハンバーグーチョキパー』(長新太作絵 和田誠しあげ 福音館書店 こどものとも年少版 2009年3月号)
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
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インスタグラムでも『ハンバーグーチョキパー』ご紹介しています