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最悪の読後感 あまりの悲惨さに読む場を見つけられない『不幸な子供』

不幸な子供』(エドワード・ゴーリー 柴田元幸 訳 河出書房新社 2001年9月)
原書は「The Hapless Child」(1961年)



驚愕のラスト。
最悪な読後感。
暗澹たる気持ちをぬぐえない。
あまりの悲惨さに騒然となる。

せめて最後に救いの手がきっと差し伸べられるはず。
そんな期待は粉々に砕かれる。

一筋の光もない。

正真正銘の「不幸」

これぞ「不幸中の不幸」

不幸の最高峰

そんな絵本です。

はっきり言って、読む場がありません。

だって、そんな気持ちになりたくないでしょう。

絵本っていうのは、どんなに悲惨な場面を描いたとしても、最終的には希望があったり、未来があったり、ほっこりしてたり、もしくは終始ふわふわしてるもんでしょう。

絵本についてそんな甘っちょろい先入観をお持ちの方には、出会ってほしくない、いやむしろ、出会った方がいいのか。

「絵本だからって、いつもほっこりすると思ったら大間違いなんだよ!」ってね。
いやいや。
でもこの絵本は異色すぎる。

人の心に楔を打ち込むような。

心構えなく出会ってしまったら、一生抜けない棘が刺さってしまう。

おすすめ絵本 なんて軽々しく紹介してはいけないのかもしれない。

学童保育所の元気な小学生たちによく、「怖い絵本持ってきて」「怖い絵本もってこい」と強めにリクエストされるのですが、流石にこの絵本は読めません。

わたしがなぜ、この絵本を買ったのか。

それはまだわたしがフルタイムで働いていた2013年12月30日、唯一、自由に羽を伸ばすことができたその日。
絵本セラピストの先輩をお誘いして、当時、表参道にあったクレヨンハウスに行ったんです。
そのときに、先輩が好きだというゴーリーの絵本を買いました。

そう。
ゴーリーの絵本には、一部の熱狂的なファンがいるようです。

独特の引力があります。

内容には触れません。

ご自分でファースト・インプレッションを受け取った方がいいかと思います。

もしも、リクエストいただければ、読みます。
不幸な子供』(エドワード・ゴーリー 柴田元幸 訳 河出書房新社 2001年9月)






目次

追記:夏休みの学童保育所で小学生たちに

2025年8月、夏休み最後の学童保育所に絵本を読みに行きました。
毎度「怖い絵本持ってきて」と強めに要求されるので、ふと、この絵本をカバンに入れていきました。
案の定、「怖い絵本持ってきた?」と聞かれたので、
「持ってきたけど、本当に怖いよ。悪趣味なほど、恐ろしいよ。怖いのイヤな人もいるでしょ」
「読んでよ」
「じゃあ、終わってから、気になる人だけにこっそり、ね」

勇気ある子どもたちに周りを取り囲まれ、小さな声で、ひっそりと読みました。
読み終わったら
「怖くないよ。怖いというより、かわいそうだよ」
「そうだよ、かわいそうだよ」と口々に。

怖くない、かわいそう。

そうか、かわいそう、と感じるのか。

自分の中で、勝手に「怖い絵本」のカテゴリに閉じ込めていたんだな。

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