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こういう買い方はお勧めしません 1962年初版本『おおきなかぶ』
こんな自分は間違っている。
真似しちゃダメ。
ただの自己満足だから。
ただの自慢だから。
「あーはいはい、よかったね」と軽くあしらわれるだけだから。
出会ってしまいました。
買ってしまいました。
初版本。
『おおきなかぶ』
(A・トルストイ再話 内田莉莎子訳 佐藤忠良画 福音館書店)
1962年5月号のこどものとも『おおきなかぶ』が、綺麗な状態で、ごそっと床に置かれた箱の中にあるのを見つけてしまいました。
吉祥寺の絵本専門古書店「MAIN TENT(メインテント)」さんにて。
初版本を初めて見ました。
お値段 1500円也。
買ってしまいました。
ちなみに、当時の定価は、100円です。
こういう買い方は、ただの自己満足に陥りやすいから、良い子のお父さんお母さんは、やめたほうがいいです。
1500円で、持ってない新刊絵本を買うことを強くおすすめします。
買ったからには、自慢したいです。
わたしの持っている『おおきなかぶ』2017年8月 第175刷と比べてみました。
絵を拡大や縮小はしていないようです。
ハードカバーの方が、表紙は上下横5㍉ずつくらい大きいです。
本文は、初版本の方が上下3㍉くらいずつ小さいです。
元々、余白が多い絵本ですが、大きなかぶができておじいさんが喜んでいる場面の足元は、初版本の方が見切れています。
赤かぶみたいな扉絵は、ハードカバーのため新たに書かれたのでしょうか。
大きな違いは、色と線が、初版本はくすんでいることでしょう。経年劣化のせいだけではないと思います。
わたしの持っている2017年8月 第175刷の『おおきなかぶ』は2代目なのです。
我が子と繰り返し繰り返し読んでいたのは、2002年発行のものだったはずです。
けれども、紛失してしまいました。
そのときのブログ→なくしてはじめて、その大切さに気づく
探しても探しても見つからず、泣く泣く、新しく『おおきなかぶ』を買い直しました。
新しく我が家にやってきた『おおきなかぶ』を見て、違和感を抱きました。
(なんか、違う・・・)
それで、挟まっていた愛読者カードに正直に「愛と違和感」を暑苦しく訴え、福音館書店に送りました。
そうしたら、なんと福音館書店の編集担当者様からお返事をいただきました。
お手紙によると、宮城県美術館にある「おおきなかぶ」の原画をデジタルデータ化したそうです。
(奥付にちゃんと「第130刷より新規製版」と記載されています)
この新版にすることは福音館書店の一大事業だったようですね
違和感を抱くはずです。
色も線もクリアになっています。
おじいさんや孫の表情もより鮮明になっています。
見返しの色の、わたしが以前持っていたものは白かったと思います。
今は、薄いグレーです。
同じ絵本でも、より良いものを子どもたちに手渡したいと、すでにあるものに甘んじることなく、より良いものにしていこうという心意気に、幾度となくグッときてしまいます。
『おおきなかぶ』は、わたしの人生の中で、一番、読んだ回数が多い絵本かもしれません。600回くらいは読んでいるかもしれません。
何度読んでも、いい。
2023年6月に、神奈川県立近代美術館葉山にて開催されていた佐藤忠良生誕110年展に行きました。
そのときの消化不良の原因についてこちらに書きました
佐藤忠良さんは、絵本作家ではなくて、本業は著名な彫刻家です。
『おおきなかぶ』の原画も何点か展示されていました。
原画では、猫を呼びに行った犬は切り貼りされていることに驚きました。
折込付録 絵本のたのしみ より
(以下引用)
(引用ここまで)
余計なものは描かれていないんです。
必要なものだけ。あとは余白。潔い。
何度描いても、押してるようにしか見えないと描き直したお話は、松居直さんの講演会でも聞きました。
かぶを押してるようにしか見えない絵も見たいなあと思ってます。
佐藤忠良さんは、シベリアに抑留されて、紙も鉛筆もなく、頭の中にシベリアの農民をスケッチしていた、その頭の中のスケッチをもとに、『おおきなかぶ』の絵を描いたそうです。
偉大なる彫刻家による、本物のデッサン力を持って生み出された名作。
今、買える『おおきなかぶ』は、より鮮明に原画に忠実に印刷されています。
一家に1冊必携絵本と断言します。
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
↓
インスタグラムでも『おおきなかぶ』ご紹介しています
真似しちゃダメ。
ただの自己満足だから。
ただの自慢だから。
「あーはいはい、よかったね」と軽くあしらわれるだけだから。
出会ってしまいました。
買ってしまいました。
初版本。
『おおきなかぶ』
(A・トルストイ再話 内田莉莎子訳 佐藤忠良画 福音館書店)
1962年5月号のこどものとも『おおきなかぶ』が、綺麗な状態で、ごそっと床に置かれた箱の中にあるのを見つけてしまいました。
吉祥寺の絵本専門古書店「MAIN TENT(メインテント)」さんにて。
初版本を初めて見ました。
お値段 1500円也。
買ってしまいました。
ちなみに、当時の定価は、100円です。
こういう買い方は、ただの自己満足に陥りやすいから、良い子のお父さんお母さんは、やめたほうがいいです。
1500円で、持ってない新刊絵本を買うことを強くおすすめします。
買ったからには、自慢したいです。
わたしの持っている『おおきなかぶ』2017年8月 第175刷と比べてみました。
絵を拡大や縮小はしていないようです。
ハードカバーの方が、表紙は上下横5㍉ずつくらい大きいです。
本文は、初版本の方が上下3㍉くらいずつ小さいです。
元々、余白が多い絵本ですが、大きなかぶができておじいさんが喜んでいる場面の足元は、初版本の方が見切れています。
赤かぶみたいな扉絵は、ハードカバーのため新たに書かれたのでしょうか。
大きな違いは、色と線が、初版本はくすんでいることでしょう。経年劣化のせいだけではないと思います。
わたしの持っている2017年8月 第175刷の『おおきなかぶ』は2代目なのです。
我が子と繰り返し繰り返し読んでいたのは、2002年発行のものだったはずです。
けれども、紛失してしまいました。
そのときのブログ→なくしてはじめて、その大切さに気づく
探しても探しても見つからず、泣く泣く、新しく『おおきなかぶ』を買い直しました。
新しく我が家にやってきた『おおきなかぶ』を見て、違和感を抱きました。
(なんか、違う・・・)
それで、挟まっていた愛読者カードに正直に「愛と違和感」を暑苦しく訴え、福音館書店に送りました。
そうしたら、なんと福音館書店の編集担当者様からお返事をいただきました。
お手紙によると、宮城県美術館にある「おおきなかぶ」の原画をデジタルデータ化したそうです。
(奥付にちゃんと「第130刷より新規製版」と記載されています)
この新版にすることは福音館書店の一大事業だったようですね
違和感を抱くはずです。
色も線もクリアになっています。
おじいさんや孫の表情もより鮮明になっています。
見返しの色の、わたしが以前持っていたものは白かったと思います。
今は、薄いグレーです。
同じ絵本でも、より良いものを子どもたちに手渡したいと、すでにあるものに甘んじることなく、より良いものにしていこうという心意気に、幾度となくグッときてしまいます。
『おおきなかぶ』は、わたしの人生の中で、一番、読んだ回数が多い絵本かもしれません。600回くらいは読んでいるかもしれません。
何度読んでも、いい。
2023年6月に、神奈川県立近代美術館葉山にて開催されていた佐藤忠良生誕110年展に行きました。
そのときの消化不良の原因についてこちらに書きました
佐藤忠良さんは、絵本作家ではなくて、本業は著名な彫刻家です。
『おおきなかぶ』の原画も何点か展示されていました。
原画では、猫を呼びに行った犬は切り貼りされていることに驚きました。
折込付録 絵本のたのしみ より
(以下引用)
彫刻家が絵を描く
「おおきなかぶ」を描いた時、あのくり返しの単純な話を、画面に背景や小道具を入れずに、そのものズバリで描くことは、私にはたいへんむずかしい作業であった。
(中略)
全部描いてからどうしても気に入らずに三度描き直したのだから、あれは、福音館の予定をずいぶんくるわせてしまったはずである。
それに、はじめての横開きにも面喰ったが、今になってみれば、かえってそれが幸いしたような気がする。
あの中で、かぶ抜きの助っ人が次々と登場するあいだ、くたびれて休んでいる文にない場面を自分で発明して描く遊びのスペースができたことであった。
(引用ここまで)
余計なものは描かれていないんです。
必要なものだけ。あとは余白。潔い。
何度描いても、押してるようにしか見えないと描き直したお話は、松居直さんの講演会でも聞きました。
かぶを押してるようにしか見えない絵も見たいなあと思ってます。
佐藤忠良さんは、シベリアに抑留されて、紙も鉛筆もなく、頭の中にシベリアの農民をスケッチしていた、その頭の中のスケッチをもとに、『おおきなかぶ』の絵を描いたそうです。
偉大なる彫刻家による、本物のデッサン力を持って生み出された名作。
今、買える『おおきなかぶ』は、より鮮明に原画に忠実に印刷されています。
一家に1冊必携絵本と断言します。
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
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インスタグラムでも『おおきなかぶ』ご紹介しています