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原画を真ん中でぶった斬る 創刊号からぶちかまし『しっぽのはたらき』

おすすめしない絵本の買い方 です。
こちらの道に足を踏み入れない方がいいです。
ただの自己満足、ただ自慢したいだけ、オタクの匂いがプンプンする買い方です。

初版本を見つけてしまったので、購入しました。

しっぽのはたらき
(川田健 ぶん 藪内正幸 え 今泉吉典 監修 福音館書店 かがくのとも 1969年4月号 かがくのとも傑作集)


こちらは、ハードカバーになったものをすでに持っています。
あちこちで、ヘビロテして読んでいます。

同じ絵本を持っているのに、購入してしまったのは、『しっぽのはたらき』の初版本であり、なおかつ、「かがくのとも 創刊号」だからです。

吉祥寺の絵本専門古書店「MAIN TENT(メインテント)」さんにて見つけてしまいました。
770円でした。

そうです。
この『しっぽのはたらき』は、福音館書店の月刊絵本「かがくのとも」の創刊号なんです。

わたしは、そのことを、2019年のかがくのとも50周年の記念展示「かがくのとびら展」にて、初めて知りました。

歴代のかがくのとものバックナンバーが壁にずらりと表紙を見せて展示されていたのです。
その一番最初にあったのが、『しっぽのはたらき』でした。
創刊号だったんだ!

いきなり、ぶちかましてきてる。
福音館書店の本気の本気がギリギリと伝わる。

だって、ですよ。

これも、薮内正幸さんの原画展で知ったのですが、原画は、一枚の絵、なんです。
それを真ん中でぶった切って、表裏にしているんです。(伝わりますか?)

そんなことを、創刊号で、いきなりぶちかましてくるとはただごとじゃないです。

全部、見せない。
下半身しか見せない。
それで、なんのしっぽか考えさせる。

「なんだろう?」という好奇心を自発させる。

ものすごいチャレンジだと思います。
それを、毎月、毎月、月刊絵本で出し続ける。

その「創刊号」なんです。
奥付には「表紙デザイン:堀内誠一」とあります。

そうでした。この「かがくのとも」は堀内誠一さんのデザインなんですね。

〈こどものとも姉妹誌〉との記載もあります。

この絵本は、読み聞かせボランティアでも激しく盛り上がる1冊です。
わたしはちょっとだけ邪道な読み方をしています。

ちなみに、藪内正幸さんの原画展で、藪内正幸美術館の館長さんが教えてくれたのですが、藪内さんは、このキツネのしっぽを描くために、動物園でじっと観察し、ちっとも走らないから、自分のお尻にしっぽをつけて四つ足で走って、その姿を鏡で見て絵を描いたとか。(聞き覚えなので、違うかもしれません)
子どもに本物を手渡そうとする大人の本気にグッときます。

しっぽのはたらき
(川田健 ぶん 藪内正幸 え 今泉吉典 監修 福音館書店 かがくのとも 1969年4月号 かがくのとも傑作集)


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インスタグラムでも『しっぽのはたらき』ご紹介しています

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