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昭和の匂いがプンプン 見つける楽しさを味わえる絵本『とこちゃんはどこ』
『とこちゃんはどこ』
(松岡享子 さく 加古里子 え 福音館書店 1970年4月 こどものとも)
「とこ」と「どこ」の言葉の重なりが、まず、好き。
表紙には、遊んでいるたくさんの子どもたちが描かれています。
とこちゃんが、どの子なのか、わかる人にはわかる感じで紛れています。
初めて読んでもらう人はわからないかもしれないけど、2回目以降の人なら、とこちゃんがどの子かわかります。
こんなふうに始まります。
(以下引用)
(引用ここまで)
とこちゃんは、ニックネームだと思いますが、ナイスなニックネームですよね。
とこちゃんは とことこ かけだしちゃう。とこちゃんだもの。
名は体を表す。
出だしから、とこちゃんは愛されキャラなんだということがよくわかります。
おばあちゃんは、どんなに嬉しいでしょう。
どんなに可愛いでしょう。
プレゼントした赤い帽子を気に入って、どこへいくときもかぶっていく孫が可愛くないはずはありません。
そして、これは、前振りです。
この赤い帽子がポイントです。
この先の重要アイテムになります。
お母さんだって、お茶目さんです。
「こまるんですの」と言ってますけど、割と油断してます。
ちゃんと子どもを見てません。
おともだちにあったら、おしゃべりしますよね。
それが楽しいんですよ。
まんまと、とこちゃんは とことこかけだしてしまうのです。
とこちゃんにとって、このお母さんでなくては、とこちゃんたり得ません。
ちなみに、お母さんは、つっかけサンダルに、前かけエプロンに買い物かご。
古き良き正統派のおつかいスタイルです。
そして、何を隠そう、お母さんは青い水玉が大好きです。
とこちゃんが、赤い帽子を好きなのと同じくらい、青い水玉が好きです。
ページをめくります。
すると市場の鳥瞰図が描かれます。
お肉屋さん、青果店、乾物屋、魚屋などが並んでいます。
お客さんがたくさんいます。
この中から、とこちゃんを探すのです。
そう。
ポイントは、あの赤い帽子です。
割と見つけやすいです。
ほかに赤いものはないので。
ちょっと似てる帽子をかぶっている子もいますが、顔が違います。
とこちゃんは目が細くて、ちょっと釣り上がってます。
後ろ姿のこの子かな?
こんなふうに、とこちゃんを見つける楽しさを味わえる絵本です。
とこちゃんに背中を向けちゃ、だめなのよ。
とことこかけだしてしまうから。
でも、とこちゃんのお父さんも、まんまととこちゃんに背中を向けるのね。
動物園で。
とこちゃんを探す楽しみ、だけではなく、動物園で同時進行で起きている、絵で物語られるサイドストーリーを想像するのも楽しいです。
この動物園の場面は、赤ちゃんの頃から楽しめるかもしれません。
うちの子は、赤ちゃんの頃、このページでコーフンしてました。とこちゃん探しはそっちのけで、兄妹それぞれで楽しみ方が違うんだな〜と知りました。
とこちゃんは、両親と海へ、おばあちゃんとお宮さんのお祭りへ、両親とデパートへ行くたびに、背中を向け、油断する大人を尻目にとことこかけだしてしまい、大人たちを慌てさせます。
とこちゃんは、幼稚園に入る前の子どもなので、昔は2年保育だったとして、3歳か、4歳なのかなあ。
現代の感覚だと、性善説を信じることが難しく、このくらいの子どもが一人でとことこ どこかに行ってしまうのは、事件や事故の可能性もあり、保護者の責任を問われる場面も多く、恐怖を覚えるかもしれません。
市場もデパートも、昭和の匂いがプンプンします。
おおらかで、のんびりとしてて、困った時は誰かが助けてくれると信じられる時代のドキュメント、と言うべきなのかもしれません。
この先、この絵本がどんどん読まれるようになることは、ないのかもしれません。
お金を出して絵本を買うのは大人なので、今の大人の感覚とずれがあると、売れにくいのかなあ。
がんばれ〜。とこちゃん!
月刊絵本こどものとも4月号としてペーパーバックで発行されて、その3ヶ月後の7月にハードカバー化されたのですね。
早い!
『とこちゃんはどこ』
(松岡享子 さく 加古里子 え 福音館書店 1970年4月 こどものとも)
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
#上甲の絵本紹介ライブ
↓
インスタグラムでも『とこちゃんはどこ』ご紹介しています
(松岡享子 さく 加古里子 え 福音館書店 1970年4月 こどものとも)
「とこ」と「どこ」の言葉の重なりが、まず、好き。
表紙には、遊んでいるたくさんの子どもたちが描かれています。
とこちゃんが、どの子なのか、わかる人にはわかる感じで紛れています。
初めて読んでもらう人はわからないかもしれないけど、2回目以降の人なら、とこちゃんがどの子かわかります。
こんなふうに始まります。
(以下引用)
これは、とこちゃんです。
とこちゃんは、おばあちゃんにもらった この
あかいぼうしが きにいって、どこへいくときも、
これを かぶっています。
よそのひとは とこちゃんをみて、よく、
「まあ、げんきそうな ぼっちゃんだこと」
と、いいます。すると、おかあさんは、
「げんきすぎて こまるんですの。ちょっと めを はなすと、すぐ とことこかけだして、どこかへ いってしまって」と、いいます。
あるひ、とこちゃんは、おかあさんと いっしょに いちばへいきました。いちばのまえで、おかあさんは、おともだちにあって、おしゃべりをはじめました。
とこちゃんは、そのまに とことこかけだしてー
(引用ここまで)
とこちゃんは、ニックネームだと思いますが、ナイスなニックネームですよね。
とこちゃんは とことこ かけだしちゃう。とこちゃんだもの。
名は体を表す。
出だしから、とこちゃんは愛されキャラなんだということがよくわかります。
おばあちゃんは、どんなに嬉しいでしょう。
どんなに可愛いでしょう。
プレゼントした赤い帽子を気に入って、どこへいくときもかぶっていく孫が可愛くないはずはありません。
そして、これは、前振りです。
この赤い帽子がポイントです。
この先の重要アイテムになります。
お母さんだって、お茶目さんです。
「こまるんですの」と言ってますけど、割と油断してます。
ちゃんと子どもを見てません。
おともだちにあったら、おしゃべりしますよね。
それが楽しいんですよ。
まんまと、とこちゃんは とことこかけだしてしまうのです。
とこちゃんにとって、このお母さんでなくては、とこちゃんたり得ません。
ちなみに、お母さんは、つっかけサンダルに、前かけエプロンに買い物かご。
古き良き正統派のおつかいスタイルです。
そして、何を隠そう、お母さんは青い水玉が大好きです。
とこちゃんが、赤い帽子を好きなのと同じくらい、青い水玉が好きです。
ページをめくります。
すると市場の鳥瞰図が描かれます。
お肉屋さん、青果店、乾物屋、魚屋などが並んでいます。
お客さんがたくさんいます。
この中から、とこちゃんを探すのです。
そう。
ポイントは、あの赤い帽子です。
割と見つけやすいです。
ほかに赤いものはないので。
ちょっと似てる帽子をかぶっている子もいますが、顔が違います。
とこちゃんは目が細くて、ちょっと釣り上がってます。
後ろ姿のこの子かな?
こんなふうに、とこちゃんを見つける楽しさを味わえる絵本です。
とこちゃんに背中を向けちゃ、だめなのよ。
とことこかけだしてしまうから。
でも、とこちゃんのお父さんも、まんまととこちゃんに背中を向けるのね。
動物園で。
とこちゃんを探す楽しみ、だけではなく、動物園で同時進行で起きている、絵で物語られるサイドストーリーを想像するのも楽しいです。
この動物園の場面は、赤ちゃんの頃から楽しめるかもしれません。
うちの子は、赤ちゃんの頃、このページでコーフンしてました。とこちゃん探しはそっちのけで、兄妹それぞれで楽しみ方が違うんだな〜と知りました。
とこちゃんは、両親と海へ、おばあちゃんとお宮さんのお祭りへ、両親とデパートへ行くたびに、背中を向け、油断する大人を尻目にとことこかけだしてしまい、大人たちを慌てさせます。
とこちゃんは、幼稚園に入る前の子どもなので、昔は2年保育だったとして、3歳か、4歳なのかなあ。
現代の感覚だと、性善説を信じることが難しく、このくらいの子どもが一人でとことこ どこかに行ってしまうのは、事件や事故の可能性もあり、保護者の責任を問われる場面も多く、恐怖を覚えるかもしれません。
市場もデパートも、昭和の匂いがプンプンします。
おおらかで、のんびりとしてて、困った時は誰かが助けてくれると信じられる時代のドキュメント、と言うべきなのかもしれません。
この先、この絵本がどんどん読まれるようになることは、ないのかもしれません。
お金を出して絵本を買うのは大人なので、今の大人の感覚とずれがあると、売れにくいのかなあ。
がんばれ〜。とこちゃん!
月刊絵本こどものとも4月号としてペーパーバックで発行されて、その3ヶ月後の7月にハードカバー化されたのですね。
早い!
『とこちゃんはどこ』
(松岡享子 さく 加古里子 え 福音館書店 1970年4月 こどものとも)
#主観と本音で絵本を喋る
#読んでみたいと思ってもらいたい
#ほぼ毎日絵本紹介ライブ
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