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雨の日の散歩を楽しめる短い期間を積極的に一緒に楽しんでくれる大人が近くにいるか、いないか『かえってきたカエル』

かえってきたカエル
(中川ひろたか 文 村上康成 絵 童心社 2000年4月 ピーマン村の絵本たち)

 

我が家の細い通路のような土のある場所に植えてある名前のわからない木の葉に毎年決まってカエルがやってきます。

「あら。おひさしぶりです」と声をかけています。
庭にいるので、「飼う」のではなく「同居」のような感じです。



この絵本では、葉っぱにいたカエルを見つけたひろみ先生は、手で捕まえて、園に連れてきて、「みどりちゃん」と名前をつけて、飼うことになります。

なにしろ、カエルは生きた虫を食べるそうですから、園児たちは餌を探しに出かけます。

外は雨が降っています。
雨の日に傘をさして、長靴はいて、歩くこと、ただそれだけで楽しめる短い期間が誰の人生にもあるのかもしれません。

集団生活を管理する大人は、安全面で避けたい事態かもしれませんが、この雨の日の散歩を楽しめる短い期間を積極的に一緒に楽しんでくれる大人が近くにいるか、いないかは、その子どもの幸福度に影響するよなあと常々、感じます。

子どもたちは、みどりちゃんの餌を探します。
一方、園長先生はお留守番をしています。
みどりちゃんを可愛がっていると、うっかり逃がしてしまいます。
(以下引用)
「あ、しまったです。にげてしまいました!」

(引用ここまで)

園長先生のお人柄がにじみ出る言葉です。
一人なのに、言葉遣いが丁寧です。
「やば! 逃げちゃった!」とかじゃない。
みんなが帰ってきて、園長先生は園長先生なのに、みんなに怒られてしまいます。

ひろみ先生が仕切ります。
みんなでみどりちゃんを探します。
みどりちゃんは、いるのです。
ちっちゃく描かれています。

絵本を読んでもらっていて、絵本の中のみんなよりも先に見つけた子どもは大喜びします。
「ほら! ここにいるよ!」

すっかりこの園の仲間になってしまいます。

背景がパステルトーンで、余計なものが描かれず、一枚一枚の絵が、絵葉書やお弁当箱やマグカップにしたいくらいオシャレです。
希望を言えば、
(以下引用)
「えんちょうせんせい、そのまま じっとして」

(引用ここまで)
の場面の表紙のノートなんかあったら買いたいです。
ツッコミどころがあって、ユーモラスで、ふふっと笑える絵です。

かえってきたカエル
(中川ひろたか 文 村上康成 絵 童心社 2000年4月 ピーマン村の絵本たち)



インスタグラムでも『かえってきたカエル』ご紹介しています

子どもと遊ぶヒントが見つかる絵本『ゆかいなかえる』

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