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小学5年生に読んだ「みんなは、今朝、水道をひねってきた?」『すいどう』
「見えないけれどもあるんだよ」
「見えないものは大事だよ」
と教えてくれたのは
星の王子さまだったか、相田みつをさんだったか、金子みすずさんだったか。
とにかく、見えないから、その大切さをあまり気にすることのないものがあります。
けれども、もしも、なくなったら、たちどころに困ってしまうとても大切なものを描いた絵本です。
『すいどう』
(百木一朗 さく 福音館書店 かがくのとも 2017年11月号)
わたしのうちは、合併浄化槽です。
わたしは見えないけれど、この合併浄化槽を大切にしています。
大切に、というのは具体的には、余計な負荷をかけないようにしています。
例えば、「流せるお掃除シート」は流せても流しません。お皿やフライパンの油もボロ布で拭き取ってから、洗います。油は流しません。
それが負荷をかけない点において、いかほどの効力があるのかはわかりませんが。
見えないところのものだから、いいや、とはなぜか思えないのです。
合併浄化槽を定期清掃してくれる方に「いや〜こんなに綺麗に使う人、なかなかいないよ〜」と褒められるのが地味に自慢です。
そんなわたしが、東京は恵比寿にある「ちえの木の実」さんという本屋さんで、この絵本を発見したとき、迷わず購入しました。
先日、小学5年生のクラスで朝、読みました。
「みんなは、今朝、水道をひねってきた?」
「うん」「使った」「うちは、ひねらない」
「ああ、そうか、ひねらない水道の蛇口もあるよね。
じゃあ、読みます。」
冒頭は、地面から水が吹き出しています。
ページをめくると、道路の下にある水道管の水漏れ工事をしています。
5年生たちが口々に、「見たことある」「知ってる」などと言ってます。
最初に登場する蛇口は、ひねらないタイプ、レバーを上げる蛇口でした。
わたしとさっきの子とで目くばせをしました。
浄水場が描かれ、説明があります。
読んでいる途中に、声かけをするのは邪道かもしれませんが、わたしが科学絵本のときは、おしゃべりを楽しみながら読むときも多いです。
「みんなは『浄水場』って知ってる?」
「知ってる!」「知ってる!」「行ったことあるよ」と口々に。
「そっか、すごいな、みんな」
浄水場の次のページをめくると、町の俯瞰図に、いつもは見えない水道管が見えるように描かれています。
「あ! 火事だ」と絵から発見して教えてくれる男子生徒。
「ホントだ。ここ、火事だね」
わたしは、感動してしまうんですよね。
水道管がこんなに張り巡らされていることに。
「あ。これ、知ってる?」とテキストを読む前に絵を指さして訊ねると、
「知ってる、知ってる。うちの駐車場にある」
首をひねって、ピンとこない感じの子もちらほら。
集合住宅だと、どこにあるかわかりづらいかもしれませんね。
水道メーター。
ここを通って、家の中に水道はやってきます。
いつもは見えない水の道が見えるように描かれています。家中にある蛇口から水が出ることにも、地味に感動してしまうわたしです。
そして次のページから、汚れた水が流れるもう1本の道が描かれます。
「下水」です。
「知ってる! 知ってる」
本当に5年生はよく知ってます。
先ほどの、家の中の水の道の絵に、もう1本、下水が追加され描かれます。
「ね。この2本は、絶対に混じらないんだよね」と言うと
「そりゃそうだよ!」
「当たり前!」
「汚いじゃん」と口々に。
賢い子たちよ。
下水は、下水処理場に送られます。
町の俯瞰図では、いつもは見えることのできない、水道と下水が見えるように描かれています。
ちなみに、水道は水色、下水は茶色で色分けされています。
下水処理場で茶色から水色に変化します。
そして、川から海へ、そして蒸発し、雲に。そして雨となって、また川へ。
そんなふうにわたしたちの水は循環しているんだってことが、この絵本を読むとすんごくよくわかります。秀逸。素晴らしい。
5年生も納得してました。
見えないけれどとても大事なものが描かれている絵本、です。
『すいどう』
(百木一朗 さく 福音館書店 かがくのとも 2017年11月号)
インスタグラムでも『すいどう』 ご紹介しています
小学5年生のクラスで、この絵本の前に読んだのはこちらです。
小学5年生が前のめり ありそうでなかった絵本 『どうしよう』
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「見えないものは大事だよ」
と教えてくれたのは
星の王子さまだったか、相田みつをさんだったか、金子みすずさんだったか。
とにかく、見えないから、その大切さをあまり気にすることのないものがあります。
けれども、もしも、なくなったら、たちどころに困ってしまうとても大切なものを描いた絵本です。
『すいどう』
(百木一朗 さく 福音館書店 かがくのとも 2017年11月号)
わたしのうちは、合併浄化槽です。
わたしは見えないけれど、この合併浄化槽を大切にしています。
大切に、というのは具体的には、余計な負荷をかけないようにしています。
例えば、「流せるお掃除シート」は流せても流しません。お皿やフライパンの油もボロ布で拭き取ってから、洗います。油は流しません。
それが負荷をかけない点において、いかほどの効力があるのかはわかりませんが。
見えないところのものだから、いいや、とはなぜか思えないのです。
合併浄化槽を定期清掃してくれる方に「いや〜こんなに綺麗に使う人、なかなかいないよ〜」と褒められるのが地味に自慢です。
そんなわたしが、東京は恵比寿にある「ちえの木の実」さんという本屋さんで、この絵本を発見したとき、迷わず購入しました。
先日、小学5年生のクラスで朝、読みました。
「みんなは、今朝、水道をひねってきた?」
「うん」「使った」「うちは、ひねらない」
「ああ、そうか、ひねらない水道の蛇口もあるよね。
じゃあ、読みます。」
冒頭は、地面から水が吹き出しています。
ページをめくると、道路の下にある水道管の水漏れ工事をしています。
5年生たちが口々に、「見たことある」「知ってる」などと言ってます。
最初に登場する蛇口は、ひねらないタイプ、レバーを上げる蛇口でした。
わたしとさっきの子とで目くばせをしました。
浄水場が描かれ、説明があります。
読んでいる途中に、声かけをするのは邪道かもしれませんが、わたしが科学絵本のときは、おしゃべりを楽しみながら読むときも多いです。
「みんなは『浄水場』って知ってる?」
「知ってる!」「知ってる!」「行ったことあるよ」と口々に。
「そっか、すごいな、みんな」
浄水場の次のページをめくると、町の俯瞰図に、いつもは見えない水道管が見えるように描かれています。
「あ! 火事だ」と絵から発見して教えてくれる男子生徒。
「ホントだ。ここ、火事だね」
わたしは、感動してしまうんですよね。
水道管がこんなに張り巡らされていることに。
「あ。これ、知ってる?」とテキストを読む前に絵を指さして訊ねると、
「知ってる、知ってる。うちの駐車場にある」
首をひねって、ピンとこない感じの子もちらほら。
集合住宅だと、どこにあるかわかりづらいかもしれませんね。
水道メーター。
ここを通って、家の中に水道はやってきます。
いつもは見えない水の道が見えるように描かれています。家中にある蛇口から水が出ることにも、地味に感動してしまうわたしです。
そして次のページから、汚れた水が流れるもう1本の道が描かれます。
「下水」です。
「知ってる! 知ってる」
本当に5年生はよく知ってます。
先ほどの、家の中の水の道の絵に、もう1本、下水が追加され描かれます。
「ね。この2本は、絶対に混じらないんだよね」と言うと
「そりゃそうだよ!」
「当たり前!」
「汚いじゃん」と口々に。
賢い子たちよ。
下水は、下水処理場に送られます。
町の俯瞰図では、いつもは見えることのできない、水道と下水が見えるように描かれています。
ちなみに、水道は水色、下水は茶色で色分けされています。
下水処理場で茶色から水色に変化します。
そして、川から海へ、そして蒸発し、雲に。そして雨となって、また川へ。
そんなふうにわたしたちの水は循環しているんだってことが、この絵本を読むとすんごくよくわかります。秀逸。素晴らしい。
5年生も納得してました。
見えないけれどとても大事なものが描かれている絵本、です。
『すいどう』
(百木一朗 さく 福音館書店 かがくのとも 2017年11月号)
インスタグラムでも『すいどう』 ご紹介しています
小学5年生のクラスで、この絵本の前に読んだのはこちらです。
小学5年生が前のめり ありそうでなかった絵本 『どうしよう』
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