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なぜ11ぴきなのか? なぜ10ぴきしかいないのか? 『11ぴきのねこ』

小学2年生のクラスで読んできました。
表紙を見せると、「知ってるー!」「持ってるー!」と口々に。

11ぴきのねこ
(馬場のぼる こぐま社 1967年4月)


ゆっくりとタイトルを言いました。

「11ぴきの・・・・・・・」

すると、一番前で体育座りをしていた男の子が、「1、2、3、4・・・」と数え始めました。
わたしは内心(しめしめ)とほくそ笑みました。
「10ぴきしかいない!」
その子を見てにっこり笑って頷いて、読み始めます。

いつもお腹を空かせている11ぴきの野良猫たちが、大きな魚を探しに湖に出かけます。

子どもたちは、ちょいちょいツッコミを入れながら、前のめり気味に楽しんでくれます。

「いかだ、作ったのかよ、すげーな」
「逆に食われちゃったんじゃん」
「あーあーあー」

わたしが好きな場面は、大きな魚が島の上で法螺貝を枕に寝ている場面です。
その周りを、11ぴきのねこが歌を歌うのです。
わたしはその「ねんねこさっしゃれ」を本当に歌います。
ゆっくりと小さな声で。
この場面がすごく好きです。
子どもたちがハッとした表情になり、息を潜めるような空気になるのです。

見事、大きな魚を捕まえた11ぴきのねこたちは、みんなに見せるまで食べないという約束をして、いかだに引いて帰ります。

ここで、ねこたちは、「たいりょうぶし」と「ねんねこさっしゃれ」を歌います。
小学2年生のクラスでは歌いませんでしたが、家で我が子に読むときは、ここは元気に歌ってました。
(子どもたちに「ハイハイ」と苦笑されているのは気づかないふりをして)

この場面で、小学2年生の男の子が
「よくそのいかだで引っ張れるよな」と言ったんです。
わたしは、ハッとしました。
確かに。
動力ないのに、誰も漕いでないのに、帆だけで前に進むってすごいかも。

このあと、真っ暗闇になり、夜が明けると、やっぱりねという展開が待っています。

うちの長男が6歳くらいの頃だったか、「おかーさん、ロープの黄色になってる。なんで?」と言いました。
ほんとだ!

「オレだったら、この骨を自慢する」とも。
確かに。

絵本を読み終わり、最後、表紙と裏表紙を開いて見せると、さっきの男の子が
「あ! ここにいたのか!」と言いました。
またしても、ニヤリ。

「ミリオンぶっく2010年度版」にこんなことが掲載されています。
(以下引用)
なぜ11ぴきか? というのは、よく作者が聞かれた質問のようです。これは、11という、収まりきらない半端な数字が、馬場先生が気に入っていらしたことと、「11ぴき」という破裂音が、声を出して読むときに強さがあってよい、と思われたからだそうです。この半端な数字を読者に納得してもらうために、1匹の大将、あとは十把一からげの集団になったとか。

(引用ここまで)

これを読むと、馬場のぼるさんの狙いを上乗せするかのように「じゅういっ ぴ き」と、破裂音を強調して読みたくなります。

さらに「ミリオンぶっく2011年度版」にこんなことが掲載されています。
(以下引用)
「なんで11ぴきのねこなのに、表紙は10匹なの?」とたまに聞かれます。そんなときはニッコリ笑って、「表紙と裏表紙を広げてみてね。」と答えます。そう、人気者のとらねこ大将は裏表紙でのんびりお昼寝をしているのです。ねこたちの見上げる空の雲も、ほら、魚形! これは、絵本のお話は「絵が語る」という見本のような絵本です。

(引用ここまで)

わたしは、これを読んで、小学2年生に意図的にわざとらしく、ああいう読み方をしました。
余計なことは言わないです。
「絵が語る」を楽しんでもらいたいなあとおもいました。

併せてご紹介したいのが、『11ぴきのねこカルタ』(こぐま社)です。
子どもが病気の治りかけのときなど、よくお世話になりました。絵本とともにおすすめです。



11ぴきのねこ
(馬場のぼる こぐま社 1967年4月)



インスタグラムでも『11ぴきのねこ』ご紹介しています

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