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中学3年生と読んだ 見た目とは裏腹に「存在の全肯定」をぶちかましてくる絵本『いのちのかぞえかた』
『いのちのかぞえかた』
(こやまくんどう 文 セルジュ・ブロック 絵 千倉書房 2010年10月)
もしも、中学生に絵本を読むチャンスがあるのなら、この絵本を読めないかなあと虎視眈々と狙っています。
中学3年生のクラスに絵本を読む時間を10分いただきましたので、チャンス到来。
この絵本は、読むのに10分かかります。
一応、4冊の絵本をカバンに忍ばせて、3年生のクラスにお邪魔しました。
「絵本、どれがいいかなあ」と言うと、
「『ぐりとぐら』なんかどうですか?」と男子生徒の声。
「『ノンタン』は?」と女子生徒の声。
「『はらぺこあおむし』!」と男子生徒の声。
「そういう系がいい?
それともちょっと(小声で)ヤバいかもしれない絵本なんだけど、いい?」
「おお〜〜〜!」と、嬉しそうなどよめき。
「ちょっと小さいけど、いい?
見えない人は前の方に来ていいからね。
いいですよね? 校長先生」
「いいですよ」と校長先生。
「この絵本を書いた小山薫堂さん、知ってますか?」
ピンと来ないみたいでした。
「ほら、あの『くまモン』の生みの親です」と言うと、「えええええ〜〜!!」と再びドヨメキが起きました。『くまモン』の知名度高いですね。
ほかにも、「料理の鉄人」などのテレビ番組を手掛けたり、映画「おくりびと」の脚本を手掛けたり、多才な方です。
読み始めます。
『いのちのかぞえかた』というタイトルは、そういうことか、と読んでみるとわかります。
主人公は、わたしたちと同じような一人の女の子です。
人が生まれてから亡くなるまでのいろんな数量を数えます。
例えば、まばたきの回数、誕生日に吹き消すろうそくの本数、おしっこの量など。
この部分は、中学3年生たちはどう感じるかなあと思いながら読みました。
わたしはどうだろうなあ。名前と顔を一致させられる人はもっとたくさんいると思います。
友達と呼べる人ももっといる気がする。
親友は・・・。
ここも中学生と共有したい。
「真実の恋」というのがグッときます。
どれが「真実の恋」だったんだろう?
中学3年生は現在進行形で「真実の恋」に落ちているだろうか?
「ゼロ!」
「0.5%」
と男子生徒から声が上がりましたが、
「6.7%」
なんですね。
「そんなあんの?!」と驚いてました。
ここらへんから、ちょっと「ヤバく」「エロく」?なってきます。
でもだからこそ、堂々と読み進めます。
朝の読み聞かせの時間に「ブラジャー」とか「愛の営み」という言葉が登場するのは、表面的に考えたら「ヤバい」「エロい」と言えるかもしれません。
わたしはあえて、つかみの言葉として「ヤバい」と表現しました。「エロい」を使う場合もあります。
でも、ここで描かれていることは、決して、ヤバくもエロくもありません。
とても大切なことですので、自分に一本芯を通して、自信を持って読み進めます。
恥ずかしがったら、負けです。
この後、精子と卵子、受精についての言葉が続きます。
命が誕生することの奇跡を思わずにはいられません。
この絵本の真骨頂はラストです。
君たちが、今ここにいることの奇跡。
自分が存在しているだけで、尊いんだ、ってことを感じてもらえてたらいいな。
いのちの大切さを説いた絵本は、たっくさんあるけれど、わたしは、数量という切り口で、知らず知らずに、じわじわと畳みかけていく この絵本がすごく好きです。
「いのちの大切さを訴えますよ〜」という風情をちっとも見せない。
コラージュとペンで描いたようなフランス風のおしゃれな絵。
色は黒と白とピンクのみ。
フランス語訳も併記されていて、日本の絵本じゃないみたい。
見た目とは裏腹に、「存在の全肯定」をぶちかましてくる ものすごいパワーを秘めた絵本と言えるでしょう。
『いのちのかぞえかた』
(こやまくんどう 文 セルジュ・ブロック 絵 千倉書房 2010年10月)
インスタグラムでも『いのちのかぞえかた』ご紹介しています
中学生に絵本を読みたいです。
(ややこしいあれこれを抱えているかもしれない)中学1年生に朝の読み聞かせ
中学で絵本の授業
(こやまくんどう 文 セルジュ・ブロック 絵 千倉書房 2010年10月)
もしも、中学生に絵本を読むチャンスがあるのなら、この絵本を読めないかなあと虎視眈々と狙っています。
中学3年生のクラスに絵本を読む時間を10分いただきましたので、チャンス到来。
この絵本は、読むのに10分かかります。
一応、4冊の絵本をカバンに忍ばせて、3年生のクラスにお邪魔しました。
「絵本、どれがいいかなあ」と言うと、
「『ぐりとぐら』なんかどうですか?」と男子生徒の声。
「『ノンタン』は?」と女子生徒の声。
「『はらぺこあおむし』!」と男子生徒の声。
「そういう系がいい?
それともちょっと(小声で)ヤバいかもしれない絵本なんだけど、いい?」
「おお〜〜〜!」と、嬉しそうなどよめき。
「ちょっと小さいけど、いい?
見えない人は前の方に来ていいからね。
いいですよね? 校長先生」
「いいですよ」と校長先生。
「この絵本を書いた小山薫堂さん、知ってますか?」
ピンと来ないみたいでした。
「ほら、あの『くまモン』の生みの親です」と言うと、「えええええ〜〜!!」と再びドヨメキが起きました。『くまモン』の知名度高いですね。
ほかにも、「料理の鉄人」などのテレビ番組を手掛けたり、映画「おくりびと」の脚本を手掛けたり、多才な方です。
読み始めます。
『いのちのかぞえかた』というタイトルは、そういうことか、と読んでみるとわかります。
主人公は、わたしたちと同じような一人の女の子です。
人が生まれてから亡くなるまでのいろんな数量を数えます。
例えば、まばたきの回数、誕生日に吹き消すろうそくの本数、おしっこの量など。
この部分は、中学3年生たちはどう感じるかなあと思いながら読みました。
(以下引用)
彼女は生涯、5万人の人と出会い、
3000人の名前を覚えます。
そのうち名前と顔を一致させられるのは300人。
友達と呼べる人は30人。
そして親友は3人です。
(引用ここまで)
わたしはどうだろうなあ。名前と顔を一致させられる人はもっとたくさんいると思います。
友達と呼べる人ももっといる気がする。
親友は・・・。
ここも中学生と共有したい。
(以下引用)
20歳までに1500人の男性と出会う彼女は、
そのうちの2人と真実の恋に落ちます。
(引用ここまで)
「真実の恋」というのがグッときます。
どれが「真実の恋」だったんだろう?
中学3年生は現在進行形で「真実の恋」に落ちているだろうか?
(以下引用)
悲しいことに、
最初につきあった彼と結婚できる確率は
(引用ここまで)
「ゼロ!」
「0.5%」
と男子生徒から声が上がりましたが、
「6.7%」
なんですね。
「そんなあんの?!」と驚いてました。
ここらへんから、ちょっと「ヤバく」「エロく」?なってきます。
でもだからこそ、堂々と読み進めます。
(以下引用)
彼女は一生で38万4000円分のブラジャーを購入します。
それを5人の男性がはずして、
そのうちの1人と結婚します。
(中略)
地球上では、毎晩2億人以上の男女が愛の営みを行なっています。
彼女が死ぬまでに繰り返す愛の営みは・・・1835回。
(引用ここまで)
朝の読み聞かせの時間に「ブラジャー」とか「愛の営み」という言葉が登場するのは、表面的に考えたら「ヤバい」「エロい」と言えるかもしれません。
わたしはあえて、つかみの言葉として「ヤバい」と表現しました。「エロい」を使う場合もあります。
でも、ここで描かれていることは、決して、ヤバくもエロくもありません。
とても大切なことですので、自分に一本芯を通して、自信を持って読み進めます。
恥ずかしがったら、負けです。
この後、精子と卵子、受精についての言葉が続きます。
命が誕生することの奇跡を思わずにはいられません。
この絵本の真骨頂はラストです。
(以下引用)
とは言っても・・・
地球に生まれてきたこと自体が幸せなこと。
宇宙に存在する2000億×2000億個の星の中で、
彼女とその新しい命が生きられる星は、
たった1つしかないのですから。
(引用ここまで)
君たちが、今ここにいることの奇跡。
自分が存在しているだけで、尊いんだ、ってことを感じてもらえてたらいいな。
いのちの大切さを説いた絵本は、たっくさんあるけれど、わたしは、数量という切り口で、知らず知らずに、じわじわと畳みかけていく この絵本がすごく好きです。
「いのちの大切さを訴えますよ〜」という風情をちっとも見せない。
コラージュとペンで描いたようなフランス風のおしゃれな絵。
色は黒と白とピンクのみ。
フランス語訳も併記されていて、日本の絵本じゃないみたい。
見た目とは裏腹に、「存在の全肯定」をぶちかましてくる ものすごいパワーを秘めた絵本と言えるでしょう。
『いのちのかぞえかた』
(こやまくんどう 文 セルジュ・ブロック 絵 千倉書房 2010年10月)
インスタグラムでも『いのちのかぞえかた』ご紹介しています
中学生に絵本を読みたいです。
(ややこしいあれこれを抱えているかもしれない)中学1年生に朝の読み聞かせ
中学で絵本の授業