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怒っている人がそばにいたときどうしたらいいか教えてくれる絵本『ボッボッボッ』
『ボッボッボッ』
(井上洋介 福音館書店 こどものとも 1996年8月号)
初めてお邪魔した とある場所で出会った絵本。
福音館書店の月刊絵本のバックナンバーがずらりとある中で、1冊1冊、表紙絵とタイトルをチェックして、発見した1冊。
知らない絵本だったけど、ピンときて。
引き抜いて、中を黙読してみました。
はい、ビンゴ!
「買い」の絵本だ。
即決。
『ボッボッボッ』
このタイトルから、どんな内容だと思いますか?
ふふふ。
こんなふうに始まります。
「ボッ」の部分だけ、テキストが赤色です。
見開きに、怒ったお母さんが、口から赤い火を吹いている絵があります。
右側には、台所。
お母さんは、怖い顔をしています。
もしも、怒っている人がいたとして、こんな顔していたとしたら、それは「本当に」怒っていることでしょう。
ページをめくると、お父さんも怒っています。
「ボッ」と口から赤い火を吹いています。
おじいさんも
おばあさんも
おにいちゃんも
おねえちゃんも
「ボッ」
「ボッボッ」と怒っています。
怒っていないのは、ポチだけです。
この子は、怒っている人たちから離れます。
そして、ポチと遊びます。
わたしがいいなあと思ったのは、「怒り」の感情を「ボッ」という赤い火で、わかりやすく表現されているところです。
そもそも、絵本で「怒り」を表現されているのがいいなあと思いました。
見た目でわかりやすい感情表現。
この人は怒っている、と視覚的に明快にわかる。
「怒り」の感情は、表に出さない方がいい、コントロールしたほうがいい、マイナスのイメージがあるような気がしますが、出さないようにするより、こんなふうにわかりやすく出してもらったほうが、お互いにいい。
この子は、相手と自分の感情をきちんと切り離すことができます。
怒っている人に対して、おびえたり、顔色うかがったりしてない。
あ、怒ってるんだな、と相手の感情を受け止めて、離れる。
自分は自分の感情を生きる。
その感じがすごくいいなあと思いました。
火を吹く家族のいる家は、燃えちゃったのかな。
「いぶって」がいいなあ。
わかるかなあ。
「燻る」って。
わからないかもしれないなあ。
これも「絵本の時差の楽しみ」かもしれません。
その言葉を知ったときに「ああ! あれは、これか!」と時間差でわかる喜び。
この絵本の「こうかい」みたいに↓
『かいじゅうたちのいるところ』に行って帰ってくる物語に呼応しているもの
たまたまその場にいた方が「読んで」とリクエストしてくれたので、読みました。
「いいね」「いいね」と言い合いました。
出会えてよかった1冊です。
買えない絵本みたいです。
『ボッボッボッ』
(井上洋介 福音館書店 こどものとも 1996年8月号)
インスタグラムでも『ボッボッボッ』ご紹介しています
(井上洋介 福音館書店 こどものとも 1996年8月号)
初めてお邪魔した とある場所で出会った絵本。
福音館書店の月刊絵本のバックナンバーがずらりとある中で、1冊1冊、表紙絵とタイトルをチェックして、発見した1冊。
知らない絵本だったけど、ピンときて。
引き抜いて、中を黙読してみました。
はい、ビンゴ!
「買い」の絵本だ。
即決。
『ボッボッボッ』
このタイトルから、どんな内容だと思いますか?
ふふふ。
こんなふうに始まります。
(以下引用)
おかあさんが
だいどころで
おこって
ひを
ふいています
ボッ
(引用ここまで)
「ボッ」の部分だけ、テキストが赤色です。
見開きに、怒ったお母さんが、口から赤い火を吹いている絵があります。
右側には、台所。
お母さんは、怖い顔をしています。
もしも、怒っている人がいたとして、こんな顔していたとしたら、それは「本当に」怒っていることでしょう。
ページをめくると、お父さんも怒っています。
「ボッ」と口から赤い火を吹いています。
おじいさんも
おばあさんも
おにいちゃんも
おねえちゃんも
「ボッ」
「ボッボッ」と怒っています。
怒っていないのは、ポチだけです。
この子は、怒っている人たちから離れます。
そして、ポチと遊びます。
わたしがいいなあと思ったのは、「怒り」の感情を「ボッ」という赤い火で、わかりやすく表現されているところです。
そもそも、絵本で「怒り」を表現されているのがいいなあと思いました。
見た目でわかりやすい感情表現。
この人は怒っている、と視覚的に明快にわかる。
「怒り」の感情は、表に出さない方がいい、コントロールしたほうがいい、マイナスのイメージがあるような気がしますが、出さないようにするより、こんなふうにわかりやすく出してもらったほうが、お互いにいい。
この子は、相手と自分の感情をきちんと切り離すことができます。
怒っている人に対して、おびえたり、顔色うかがったりしてない。
あ、怒ってるんだな、と相手の感情を受け止めて、離れる。
自分は自分の感情を生きる。
その感じがすごくいいなあと思いました。
火を吹く家族のいる家は、燃えちゃったのかな。
(以下引用)
おうちは
まだ
いぶって
いるので……
(引用ここまで)
「いぶって」がいいなあ。
わかるかなあ。
「燻る」って。
わからないかもしれないなあ。
これも「絵本の時差の楽しみ」かもしれません。
その言葉を知ったときに「ああ! あれは、これか!」と時間差でわかる喜び。
この絵本の「こうかい」みたいに↓
『かいじゅうたちのいるところ』に行って帰ってくる物語に呼応しているもの
たまたまその場にいた方が「読んで」とリクエストしてくれたので、読みました。
「いいね」「いいね」と言い合いました。
出会えてよかった1冊です。
買えない絵本みたいです。
『ボッボッボッ』
(井上洋介 福音館書店 こどものとも 1996年8月号)
インスタグラムでも『ボッボッボッ』ご紹介しています