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一緒に始めたのに片付けもせず気持ち悪いと帰ろうとするなんて『ぎょうざつくったの』

ぎょうざつくったの
(きむらよしお作 福音館書店 1996年6月)


横長の絵本です。
縦書きの絵本です。

ウナちゃんの家で、子どもたちだけで、餃子を作ります。

ひき肉の代わりに、魚(シーチキン)の缶詰です。

小麦粉に塩と水を入れて
こねくりまわします。

なんだか気持ち悪い感じの餃子ができてしまい、途中で餃子作りを放棄して、子どもたちが帰ろうとしてしまいます。

ウナちゃんは
ドックンドックン があふれそうになります。

そのとき、お母さんが帰ってきます。

もしも、わたしが、そのお母さんだったとして、帰ってきて、台所の惨状を見たら、平静でいられるだろうか。
自分ちの子を抱きしめる、なんてことができるだろうか、と不安になります。

でも、この絵本に登場するお母さんは、ウナちゃんを抱きしめます。

ウナちゃんは、ドックンドックンをあふれさせることができます。

さらに、お母さんはこう言います。


(以下引用)
「まあ みんなでつくったぎょうざ おかあさんたべたいなあ」
「へんなかたちやけど うまそう。おとうさんもたべたいなあ」
(引用ここまで)



なんと、いつの間にかお父さんも帰ってきてて、この神対応。
掃除機かけてますよ。

みんなで作った餃子は、美味かったらしいですよ。

わたし、この絵本を、福岡県の絵本専門店エルマーさんにお邪魔したときに、購入しました。2019年4月です。

それから、あまり、読むチャンスを見つけられずにいました。

でも、夏休みに突入した学童保育所で読んでみました。
彼らは、もうすぐキャンプに行きます。
自分たちで、カレーを作って食べるそうです。
みんなで練習もしているそうです。
自分たちで、食べたいものを作って食べる。
この経験をしたことのある子どもは、この絵本、少なからずじぶんごとに引きつけて、一緒に読めるのかもしれないなあと感じました。
「そうしちゃいけない」というルールは集団生活にあるでしょう。
だけど、感情が勝ってしまうこともあるでしょう。生活の場ですし。
自分たちが一緒に始めたのに、片付けもせずに、気持ち悪いと言って帰ってしまうなんて、絶対にやっちゃいけないと言われるケースです。

友だちとの関わりも、思い当たるような、揺さぶられるような、共感できる要素が、ある絵本なのかもしれません。

きむらよしおさんのデフォルメされた絵がまた吸引力が強い。
「お母さん、でかいなあ」
きれいごとじゃない、むしろ、汚い感じがいい。
残念なことに買いにくい絵本になっています。



インスタグラムでも『ぎょうざつくったの』ご紹介しています



ぎょうざつくったの
(きむらよしお作 福音館書店 1996年6月)

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