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「志村〜後ろ」絵本 教えてあげたくてたまらない『ハンダのびっくりプレゼント』

「志村〜後ろ絵本」というジャンルがあります。
これが通じるのはドリフターズの「8時だョ!全員集合」を観てた世代のみだと思います。


絵本の読み手と聞き手は、わかっている。見えている。
絵本の中にいる人は、わかってない。知らない。気づかない。
聞き手と読み手は、それを教えてあげたい。教えてあげたくてたまらない。
そういう絵本のジャンルです。

ハンダのびっくりプレゼント
(アイリーン・ブラウン作 福本友美子 訳 光村教育図書 2006年4月) 



アフリカのケニアが舞台です。

ハンダは友だちのアケヨに果物をプレゼントすることにしました。
7種類の果物をカゴにのせます。

ハンダは、カゴを頭の上に乗せて、歩き始めます。
バランス感覚がいい。
体幹がしっかりしているんでしょうね。
姿勢もいいし。
この絶妙なバランスで頭の上に乗っている果物に事件が起きます。

それをハンダは知りません。
わたしたち、読み手と聞き手だけが知っています。
それは、言葉では物語られません。
絵で物語られます。

結局、7つの果物はすべて、なくなります。

ところが、最後にびっくりするような事件が起こり、ハンダの頭の上のカゴは、いいものでいっぱいになります。

それは、ハンダが最初にのせた7種類の果物ではありません。

山盛りのそれに、アケヨはびっくりし、ハンダもまた、違う意味でびっくりする、そんな絵本です。

これはもう、絵と言葉、それぞれで物語り、ページをめくることで進行していく絵本という表現方法を最大限に生かした傑作だと言えるでしょう。

わたしは、ハンダは確信犯ではないか、と思ってます。
だって、気づくと思うんです。
動物の気配、頭の上のカゴの重さ、バランスの変化、気づいているはずです。
気づいてて、素知らぬふりで歩いていたんじゃないかなーって思いました。

志村けんも、心の中では「そんなことはわかってるんだよ」と突っ込んでいたらしいです。


インスタグラムでも『ハンダのびっくりプレゼント』ご紹介しています


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