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脳内バグる やりたい放題の『ふしぎなナイフ』

ふしぎなナイフ
(中村牧江 林健造 さく 福田隆義 え 福音館書店 こどものとも年中向き 1985年11月)


脳内バグる。

え?
え?
どういうこと?
ナイフ でしょ?

動揺する。
しかし、ナイフは我関せず。

どんどん不思議さを炸裂していく。

いかにもな、写実的な、ナイフ。

このナイフが何故に「ふしぎな」と形容されるのか。

まがる
ねじれる
おれる
われる
とける
きれる
ほどける
ちぎれる
ちらばる
など、およそ、ナイフには似つかわしくない動詞が続く。

そして、写実的にそのナイフが描かれる。

あり得ない。
認めたくない。
どうしてこんなことが。
バグる。

シニアの皆さんに読みましたが、皆さん、動揺されていました。

月刊絵本の折り込み付録「絵本のたのしみ」に作者の中村牧江さんの言葉「『ふしぎ』って何だ?」が載っています。



(以下引用)
私たち大人は、何でも「自分流に」理解の枠を固定してしまい、自分にとってわかることは当然のこととして受け入れる反面、そうでない場合は、かなくなに拒否してしまう傾向があるようです。
その点、子どもの発想はまるで違っています。(中略)
きっと子どもたちにとっては、空想も現実も、あるいは童話も科学も、それほどはっきりした境目のあるものではなく、ごく自然で、身近なものなのでしょう。だから、いつもたくさんの「ふしぎ」に共感し、すなおにその中にとけ込んでいけるー本当にすてきなことです。こんな、しなやかな感性を取りもどすことができたら…と、つねづね思っています。
(引用ここまで)




中村牧江さんは、コピーライターなのですね。
「ふしぎ」って何だ?という切り口で絵本を作ろう、としたときに、ナイフを主人公にして、どんなだったら「ふしぎ」だろう?と考えて、こんな絵本を生み出しちゃうって、天才か!

シニアの皆さん、騒然としていましたが、「不思議よねえ」と。

不思議を実感できる絵本。

児童文学作家の村中李衣さんは、この絵本で子どもたちと表現遊びをするそうです。

まず、ナイフになります。手を上にまっすぐ伸ばして立つ感じ。
「ふしぎなナイフが まがる」
曲がります。
このときに、ポイントは、表紙か扉絵の、ちゃんとした? ふしぎなナイフに1回ごとに戻ることです。
「ふしぎなナイフが おれる」
折れます。
そのつもりになって、体と表情で表現遊びをする。
これは、インプロワークショップでも楽しいかもしれません。


ふしぎなナイフ
(中村牧江 林健造 さく 福田隆義 え 福音館書店 こどものとも年中向き 1985年11月)


インスタグラムでも『ふしぎなナイフ』ご紹介しています



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