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この絵本の真ん中で、全員が、ハッとする『ねこガム』

『ねこガム』
(きむらよしお 福音館書店 こどものとも年少版 2005年1月号)


シニアの皆さんと、保育園の乳児組さんと、幼児組さんと学童さんと障害者支援施設足柄療護園さんの通所サービス利用者さんに読んでみました。

どこででも、大笑い。
大ウケでした。

子どもたちには聞いてみました。
「みんなは、ガム、食べる?」
乳児さんには
「ガム、知ってる?」

知ってる風の子、キョトンとしている子、
食べたことあるアピールのこ、飲み込んだことあるアピールの子、いろいろです。

おもむろに読み始めます。

「ねこガム」とタイトルを言ったら、
学童保育所の小学生が
「猫になっちゃうんじゃないの?」と言いました。
鋭いな〜と内心舌を巻きながら。

くちゃくちゃとガムを噛む真似をしながら読みます。

「クチャラーじゃん!」とまたしても学童さんからツッコミが。

一緒にガムを噛む真似をしてくれる子も。

この絵本の真ん中で、全員が、ハッとします。

まさかの展開。

その後の、きっとこうなるだろうという予想と、その通りの展開に喜ぶ。

そしてまさかのラスト。

いや〜。

すごい。

年少版でこのナンセンス。

素晴らしい。



折り込みふろく「絵本のたのしみ」

作者のことば「Gaman Gum」から


(以下引用)

先日、近くのコンビニに行くと、小さなにぎりこぶしの形をしたガムがありました。赤いにぎりこぶしの先に“Gaman Gum”とあります。形からはガムとは思えないのですが、ガム陳列棚の一番下に隠れるように、かたまって5~6個寄り添っていました。私がよく行く店なのに今まで気がつくことがなかったので、多分、あまり売れていないのだろうと思います。
裏側に注意書きが小さく印刷されています。
「このガムはおいしすぎて噛むのがやめられなくなってしまいます。でも、すぐにおいしくはなりません。少し時間がかかります。おいしくなるまでガマンをしてください。その時間は噛み方、人によって多少変わります。」
口に入れると・・・・・・苦いのです。とても苦いのです。思わず両手ににぎりこぶしを作り、力んでしまいました。一瞬、吐き出そうかと思いましたが、ぐっとこらえて噛んでいました。が、なかなかおいしくはならないのです。
でも、ガマンです。早くおいしくならないかと口を速く動かします。クチャクチャ音が頭の中にまでひびきます。いつまでたっても苦さは消えません。もう、やめようかなと思いガムを口から出してみました。すると、頭が空っぽになったようにふわっと浮き、口から頭にかけてさわやかな甘さを含んだ風が吹き抜けました。
もう一度ガムを口の中に入れました。苦い! 相変わらず苦いのです。
こぶしを作りながら充分噛んで口の中から出すと、頭がふわっと浮き、さわやかな風が吹き抜けます。私は飽きることなくいつまでも、噛んだり出したりを繰りかえしました。

(引用ここまで)




ホントの話かな?
妄想かな?
妄想だったとしても、このガムを口から出したときの、頭が空っぽになったような感覚。
これがきっと、この絵本の元となったタネなのかな。
それがこんなに心がうごくナンセンス絵本として成立するなんて、感服です。参りました。
スンバラしい。


『ねこガム』
(きむらよしお 福音館書店 こどものとも年少版 2005年1月号)



インスタグラムでも『ねこガム』ご紹介しています


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