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こんな顔をどの子もどの子もどの子にもしてもらいたい『はじめてのキャンプ』

はじめてのキャンプ
(林明子 福音館書店 1984年6月)


とにかく大好きで大好きで大好きな絵本です。
いつ読めるか虎視眈々と狙っています。

保育園の幼児組さんたちと、夏休みの学童保育所で、ここぞとばかりに読みました。

結構、長いので(104ページ)読む場が限られるのですが、キャンプのリアル体験をしている子も多いですし、スッとこの物語に入ってきてくれます。

わたしは、テンポ早めに、緩急つけて、どんどんどんどん読み進めるのが好きです。

シンプルな線と、シンプルな色使い。
共感ポイントが散りばめられている物語のディティール。
子どもたちは、一気にこの物語に引き込まれていきます。

「ちっちゃいこ」と、みそっかす扱いされているなほちゃんがこの物語の主人公です。
大きい子たちがキャンプに行くのを知って、わたしも行きたいと言います。

でも、大きい子たちに即座にダメ出しされます。

ダメな4つの理由。

・重い荷物を持って歩けない
・すぐに泣く
・薪を集められない
・夜、暗いと怖がる

なほちゃんは、すんなりとはいかないけれど、ちっちゃい子なりに、この4つの試練をクリアしていきます。

そして得られた「ちゃんとキャンプできた」という自信。

ラストのなほちゃんの表情。
これがたまりません。
読むたびに、キュンと泣きそうになるのを堪えているのは内緒です。

わたしは、こんな顔を、どの子もどの子もどの子にもしてもらいたい。
よくほら、「自己肯定感」大事、とか言うけどさ。

つまりはどうすればいいわけ?ってなったときに、このなほちゃんの表情が、いわゆる「自己肯定感」ってやつの一つの正体なのかも知れないなあって思うんです。

もちろん、
「自己肯定感を持ちなさい」って言ったって
「はい、わかりました、自己肯定感を持ちます」ってそんなもんじゃないでしょう。

ただ、物語を読んで聞かせるってことは、その物語をその子なりに疑似体験できるってことでもあるから「自己肯定感」の匂いとか雰囲気とか佇まいとかそういう曖昧なまま丸ごと疑似体験できるってことは全く無駄じゃない。

こういう本をチャンスがあれば聞く気がある人に読みたいです。



はじめてのキャンプ
(林明子 福音館書店 1984年6月)


インスタグラムでも『はじめてのキャンプ』ご紹介しています


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