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いろいろ言いたくなるけど、有無を言わせず終わる絵本『おじさんあそびましょ』

おじさんあそびましょ
(長新太 絵本館 2006年10月)



2023年8月、青山ブックセンターに初めて行ったとき、エスカレーター降りて、入り口入ってすぐのところに、なんかのフェアがやってました。
230人が、この夏おすすめする一冊

ここで出会った1冊です。

知らない絵本でした。

おすすめしていたのは、絵本『にんじゃシジュウカラのすけ』の作者 出口かずみさん。
POPにはこうありました。


(以下引用)
アザラシとおじさんの和やかなひととき。アザラシと物言わぬ優しいおじさんが楽しく遊ぶというだけの清々しいおはなしです。暑いと思考が停止しがちなので、このくらいの気持ちよさが夏にぴったりです。
(引用ここまで)




長新太さんの知らない絵本だと思って手に取って、パラパラと見て、いいなあと思って買いました。

とかく、わたしは絵本に登場する「おじさん」に弱いのです。
絵本に登場するおじさんは、変なおじさんなことが多い気がします。

「巨匠クラスの変なおじさん?」 絵本「ジャリおじさん」

「変なおじさんじゃね?」 絵本「だいくとおにろく」

タイトルに「おじさん」と入っちゃってるもんで、自分の衝動を抑えられませんでした。
しかも、どう見ても、変なおじさん。



ところが、勇気がなくて、読む場を見つけられずにいました。
どうにもこうにも、遠目が効かない。
どこにアザラシがいるのかわからない。
わからないから、「はて?」と思っているうちに、終わってしまう。
へ?

暑くて停止している思考が強制的に? 動かされたのに、よくわからないまま、スパッと幕が引かれる。
何これ?
確かに清々しい。

定期的にお邪魔している障害者支援施設 足柄療護園のデイサービス利用者さんに勇気を出して読んでみました。
皆さん、お優しいですし、わたしのむちゃぶりにも慣れていらっしゃいますし、なんなら楽しみにしてくださっているので、チャレンジしてみようかなあと勇気が出せました。

職員さんも含め、身を乗り出して、この判別しにくい絵を一生懸命見てくださる。
青い海に青いアザラシ。
なんとか判別できそうなのは、島とおじさんの頭とボートくらい。

わたしも余計なことに
「これです。アザラシは、こっちです」
などと言ってしまいました。

「あ! そっちなの!」と一斉にツッコミが(笑)

アザラシみたいな、おじさんです。
アザラシみたいなおじさんと、アザラシのぼくが遊ぶお話です。

ツッコミどころ満載の遊びです。

ボートに乗ったり、かくれんぼ とか なわとび とか。
いろいろ、言いたくなるけど、有無を言わせず、終わります。

アザラシのぼくは、
「もぐっているのでみえません」と終わります。

清々しい〜(笑)

勇気を出して学童保育所の小学生たちにも読んでみようかなあ。


おじさんあそびましょ
(長新太 絵本館 2006年10月)


インスタグラムでも『おじさんあそびましょ』 ご紹介しています


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