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「俺、言える!」と得意げに言い始めて言えないっていうのがかわいい『はやくちこぶた』
『はやくちこぶた』ことばあそびえほん
(はやかわじゅんこ 瑞雲舎 2007年9月)
早口言葉の絵本です。
「はやくちことば と はやくちこぶた って似てるよね」
っていう発見から生まれた絵本なんですかね。
早口言葉の絵本っていろいろありますよね。
どうやって絵本にしていくのか?
ただ早口言葉を羅列するだけではなく、
すごい工夫がなされています。
この絵本は、『さんびきのこぶた』が絵で物語られている。
その物語のうえに、早口言葉が乗せられているんです。
次の場面の伏線が、前の場面に描かれているんですね。
回収するんです。
扉絵からして、実はこの先の早口言葉の伏線が描かれている。
早口言葉を唱えることに一生懸命になっているうちは気づけない。
余裕が生まれたころに、時間差で気づけるのがニクイ。
例えば、
「すもも も もも も もものうち」
の場面で、季と桃が流れる川でおばあさんがさつまいもを洗っています。
次の
「となりの きゃくは よく かき くう きゃくだ」
の場面で、さっきのお婆さんは「もものや」というお店の人みたいで3びきのこぶたはさつまいもを食べています。向こうからバスがやってきます。
次の早口言葉は、当然
「ばす がす ばくはつ」です。
3びきのこぶたがオナラをしています。
「ばす がす ばくはつ」これは3回繰り返して読みます。
学童保育所の小学生たちに読みました。
言えそうで言えない早口言葉を、「俺、言える!」と得意げに言い始めて、言えない、っていうのがかわいいもんです。
「早口言葉の絵本を作って」と依頼された作者のはやかわじゅんこさんは、チェコの人形劇で「さんびきのこぶた」を観たんだそうです。
チェコ語だから、言葉はわからないけれど、知っているお話しだから、楽しめたんだそうです。
それで「あ! そうだ!」と閃いたそうです。
言葉と絵や舞台が一致してなくても楽しめる。
3びきのこぶたが狼に追いかけられている物語の上に、
早口言葉が乗せられている、というこのアイディアが生まれたということなんですね。
絵本ナビで早川純子さんが
「私はこのおはなしをどうやって読み聞かせするのか、まったく見当がつかないんです」
と言っているのを読んで、びっくりしました。
こんなに楽な絵本、ない。
こんなに読み聞かせに向いている絵本はない。
こんなに聞いている人たちを巻き込む絵本はない。
早口言葉を読むからには、ちゃんと早口言葉を言えないとダメよね、とかいう人いるけど、読み手がつっかかったって、いい。
上手に読めなくていい。
失敗するくらいでいい。
その方がむしろ、喜ばれる、かも。
『はやくちこぶた』ことばあそびえほん
(はやかわじゅんこ 瑞雲舎 2007年9月)
インスタグラムでも『はやくちこぶた』ご紹介しています
この絵本もおすすめ↓
文化的な遊びを幼い子も大人も一緒に体感できる絵本『ことばあそびうた』
(はやかわじゅんこ 瑞雲舎 2007年9月)
早口言葉の絵本です。
「はやくちことば と はやくちこぶた って似てるよね」
っていう発見から生まれた絵本なんですかね。
早口言葉の絵本っていろいろありますよね。
どうやって絵本にしていくのか?
ただ早口言葉を羅列するだけではなく、
すごい工夫がなされています。
この絵本は、『さんびきのこぶた』が絵で物語られている。
その物語のうえに、早口言葉が乗せられているんです。
次の場面の伏線が、前の場面に描かれているんですね。
回収するんです。
扉絵からして、実はこの先の早口言葉の伏線が描かれている。
早口言葉を唱えることに一生懸命になっているうちは気づけない。
余裕が生まれたころに、時間差で気づけるのがニクイ。
例えば、
「すもも も もも も もものうち」
の場面で、季と桃が流れる川でおばあさんがさつまいもを洗っています。
次の
「となりの きゃくは よく かき くう きゃくだ」
の場面で、さっきのお婆さんは「もものや」というお店の人みたいで3びきのこぶたはさつまいもを食べています。向こうからバスがやってきます。
次の早口言葉は、当然
「ばす がす ばくはつ」です。
3びきのこぶたがオナラをしています。
「ばす がす ばくはつ」これは3回繰り返して読みます。
学童保育所の小学生たちに読みました。
言えそうで言えない早口言葉を、「俺、言える!」と得意げに言い始めて、言えない、っていうのがかわいいもんです。
「早口言葉の絵本を作って」と依頼された作者のはやかわじゅんこさんは、チェコの人形劇で「さんびきのこぶた」を観たんだそうです。
チェコ語だから、言葉はわからないけれど、知っているお話しだから、楽しめたんだそうです。
それで「あ! そうだ!」と閃いたそうです。
言葉と絵や舞台が一致してなくても楽しめる。
3びきのこぶたが狼に追いかけられている物語の上に、
早口言葉が乗せられている、というこのアイディアが生まれたということなんですね。
絵本ナビで早川純子さんが
「私はこのおはなしをどうやって読み聞かせするのか、まったく見当がつかないんです」
と言っているのを読んで、びっくりしました。
こんなに楽な絵本、ない。
こんなに読み聞かせに向いている絵本はない。
こんなに聞いている人たちを巻き込む絵本はない。
早口言葉を読むからには、ちゃんと早口言葉を言えないとダメよね、とかいう人いるけど、読み手がつっかかったって、いい。
上手に読めなくていい。
失敗するくらいでいい。
その方がむしろ、喜ばれる、かも。
『はやくちこぶた』ことばあそびえほん
(はやかわじゅんこ 瑞雲舎 2007年9月)
インスタグラムでも『はやくちこぶた』ご紹介しています
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