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安西水丸の伝説の初期傑作絵本が待望の復刊『ふりかえりおじさん』

ふりかえりおじさん
(安西水丸 復刊ドットコム 2015年3月)
(1979年 コーキ出版)


そう、何を隠そう、わたしは絵本に登場する「おじさん」に弱いのです。

いろいろ言いたくなるけど、有無を言わせず終わる絵本『おじさんあそびましょ』


『ふりかえりおじさん』

そそられるタイトルがパッと目につき、中身も確認せずに迷わず購入しました。

表紙。
帽子で目元は見えませんが、口角が上がっているおじさんが真ん中に描かれます。
腕に抱かれている猫も笑ってるようです。

子どもに読んでみたら、どうなんでしょう?

保育園の幼児組さん、3歳、4歳、5歳の集団に読んでみました。

書いてあることを、そのまま読むだけで、自然に聞き手とのやり取りが生まれてしまう絵本なんだということがわかりました。

タイトルを読んだだけで、彼らは笑います。

背中を見せて立っている ふりかえりおじさんは、いつもこっちを振り返ります。

「ふりかえる」という動作が、緊張感を生みます。
ページをめくると振り返るのです。

そして、こんな言葉が続きます。



(以下引用)
ふりかえりおじさん どんな かお。
(引用ここまで)




すると、子どもたちは
「ニコニコしてる〜〜!」
「怒ってる!」
「悲しそう〜〜!」「泣いてる〜〜!」
などと、口々に答えてくれます。

ふりかえりおじさんの表情を見て、ふりかえりおじさんの感情をおもんぱかっているのですね。
ふりかえりおじさんの表情だけでなく、
そういうことが、3歳、4歳、5歳になるとできるんですね。
抱かれている猫の表情、天気も、おじさんの感情と連動していると感じる子も中にはいるかもしれません。


できれば、
後ろ姿のページをその都度、間に挟んでもらった方が、振り返る動作の緊張感があって、より良かったのかなと上甲は思います。
なんてったって「ふりかえりおじさん」なんですからね。
ページの制約で難しいんだろうなとは理解しますが。

でもそんなこと、関係なく、子どもたちはこの絵本を面白がってくれたと感じました。

わたしは、この絵本に、北海道は旭川にあります子どもの本の専門店 こども冨貴堂さんで出会いました。

タイトルはもちろんのこと、帯に惹きつけられました。
確か、「安西水丸の伝説の初期傑作絵本」みたいなことが書いてあったんですね。

以下、復刊ドットコムの紹介ページから引用します。

(以下引用)
名作『がたん ごとん がたん ごとん』(福音館書店刊)よりも前に描かれた、安西水丸の伝説の初期傑作絵本があらたな装丁でよみがえる!

【内容】
丘の上にいつもあらわれる〝ふりかえりおじさん〟。笑った顔、怒った顔、かなしい顔…まいにち色々な表情を見せる。 ある日ふりかえりおじさんは丘から消え、そこには月がのぼった。

1979年にコーキ出版から発刊され、現在は入手が非常に困難になっている安西水丸の初期作品が待望の復刊!〝おじさん〟というキーワードや〝ふりかえる〟という繰り返しの動作が気持ちいい子供から大人まで楽しめる1冊です!

(引用ここまで)




あー。
もう買えないのかなー。
もしも、本屋さんで見かけたら、「買い」一択です。

ふりかえりおじさん
(安西水丸 復刊ドットコム 2015年3月)
(1979年 コーキ出版)




インスタグラムでも『ふりかえりおじさん』ご紹介しています


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