Blog ブログ

体験入学受付中

HOME // ブログ // 昭和感満載の地味目な印象とは裏腹に『トッチくんのカレーようび』

Blog ブログ

CATEGORY


おすすめ絵本

昭和感満載の地味目な印象とは裏腹に『トッチくんのカレーようび』

『トッチくんのカレーようび』
(まどころひさこ 文 やまもとまつこ 絵 ポプラ社 1969年9月)



ちびっこ絵本というシリーズの6冊目らしいです。
うちには、このシリーズの絵本が3冊あるのですが、どれもこれも名作なのです。
こう言っちゃなんですが、地味ーな佇まいの絵本。半世紀以上前の絵本ですから、トッチくんの服装とか昭和感がありありと。古臭いかな、イマドキの子どもにはどうかなと思われるかもしれません。
ところが、そんなの関係なく、我が子たちは大好きで、ヘビロテして読みました。

トッチくんのお母さんが、買い物かごから、材料を取り出します。
お肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、、、
何を作るか、当てたくなりますよね。
最後に出てくるのがカレー粉なんです。
そうです、カレーライスです。

わかりやすく当てられる、っていうのが子ども心をくすぐるようです。
保育園の幼児組さん、3歳、4歳、5歳さんたちに読みましたら、嬉しそうに「カレーだ!」「作ったことある!」と口々に言いました。

作り始めたお母さんは、台所で泣き始めます。
「たまねぎがね… たまねぎがね…」

なんと、玉ねぎがお母さんを泣かせて、逃げ出したのです。

もう、我が家では、玉ねぎを切るときは、このお母さんのマネをします。

「たまねぎがね… たまねぎがね…」と泣き真似を(笑)

逃げ出した玉ねぎをトッチくんは追いかけます。
途中でみこちゃんも加わります。
八百屋のおじさんも加わります。
あちこちから子どもたちが加わります。
みんなのうちからも、玉ねぎ逃げ出したので追いかけるのです。
なぜか?
なぜなら、「カレーようび」だから!
(ちょっと意味不明ですが、いいんです)
逃げる玉ねぎを追いかける、というのも子ども心をくすぐるようです。

玉ねぎには、顔があります。
隅っこに隠れている玉ねぎもいたりします。
ラストは、思いがけない展開となります。
へー。
そうなるかー。
それはそれで楽しそう。

設定としては、お母さんは専業主婦です。
家事育児一切は、お母さんが担っているのでしょう。
夕ご飯は、お父さんが、お勤めから帰ってくるのを待ちます。
この時代では、これがスタンダードだったのでしょうね。
今、読むと違和感があります。

「絵本は時代のドキュメント」

これはこれであり、です。

52ページもあるんですね。
今は買いにくい絵本なのかな。


『トッチくんのカレーようび』
(まどころひさこ 文 やまもとまつこ 絵 ポプラ社 1969年9月)



インスタグラムでも『トッチくんのカレーようび』ご紹介しています


ブログ一覧