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我が家においてボロボロベタベタ率の高い1冊『くうちゃんがないた』

くうちゃんがないた
(みなみくうくう アリス館 2006年7月)



我が家にある絵本の中でも、ボロボロベタベタ率の高い1冊。
一番下の子どもが生まれて5か月のとき、わたしの絵本の恩師にプレゼントしてもらった絵本。
とにかく、赤ちゃんだった娘のお気に入りで、自分でめくろうとして、ビリリッ!
ビリリッ!と破かれまくっています。
それを、なにもわかってない当時のわたしが、ベタベタのテープで貼ってしまい、それが今、劣化して、ページをめくるたびに「ベタベタ」「バリリ」と効果音が入ってしまう絵本です。
でも、読みます。

当時、生まれて数か月の末っ子にこの絵本を読んでいたとき、小学生だった長男が、近くにいました。
「お母さん、今のところ、もっかい読んでみて」と言うので、読みました。
すると「やっぱり」と。
「なにがやっぱりなの?」
「このページのところで、***(末っ子の名前)は、必ず、バンって絵本を叩くよ」

そうなの?
ホントだ笑

言葉でのコミュニケーションはできないけど、「絵本を叩く」という なんかしらの発露があるんだ!

気づいた長男もすごい。
妹を観察してたんですね。



2024年10月、保育園の乳児組さんたち、0歳、1歳、2歳のクラスで読みました。
タイミングよく、泣き始めた子がいました。
その子を見ないようにして、(だって、泣いているところを、たまにくるおばちゃんにジロジロ見られたくないでしょ)でも、言葉を届けるつもりで、読みました。
嘘みたいだけど、読み終わる頃には、その子、ニコニコしてやんの。

こんな言葉です。



(以下引用)
あっ くうちゃんが ないてるよ
くうちゃん どうしたの?

くうちゃん くうちゃん
ないてる ないてる
ないてるね

くうちゃん くうちゃん
なんで なんで
なんで そんなに ないてるの?
(引用ここまで)





子どもって、泣くじゃないですか?
なんで泣いているか理由もわからない。
本人は、わかってるのか、わかってないのか。
泣くってエネルギーの放出ですよね。
疲弊した母親がモロにくらうと、大変、しんどいときがある。

まさにそんなときだった。
この絵本に出会ったのは。

当のご本人様が、ご機嫌でこの絵本を何度も読んで欲しがる。

あなたねー。

「くうちゃん」を我が子の名前に変えて、泣いてるときに、この絵本の言葉を言いましたよね。

この絵本では、くうちゃんは泣き止むんです。
その場面で、保育園の乳児さんたちが
「泣き止んだ!」と言ってました。

あなたたちねー(笑)

泣き止んだ場面の言葉。
これが好き。



(以下引用)
ひゅひゅひゅ るんるん
ひゅひゅひゅの ひゅ

ひゅひゅひゅ るんるん
ひゅひゅひゅの ひゅ
(引用ここまで)




なにこの、かろみ。

なにこの、ちからの抜け加減。

泣いている幼児を前に、自分にも無意識に入っていた力を抜かせるようなことば。

あかちゃんって
理由があって泣いてるときと
理由もわからず泣いているときと
あると思うんです

そして
母親であるわたしは
心の余裕があるときは
「あら、元気に泣くわねえ」
なんてにこやかに思えるけど
心に余裕がないときは
その泣き声に
責められているような気になってしまって
すごく
しんどくなるときが
あったんです

でも
この絵本のラストには
こう書いてあります



「ないて わらって
わらって ないて
い・い・き・も・ち!」




あ〜確かにそうかもね


いや〜。
助けられた1冊です。

あかちゃんと暮らしている人には
読んでみてもらいたいなあと
思う1冊です



しかもこの絵本の絵が、いかにもなパステル調、透明感。

これはガラス絵なんだそうです。

作者の南 椌椌さん、わたし、なぜかずっと可愛らしい女の人だと思い込んでいました。
絵の雰囲気から勝手に。
奥付の作者紹介のところをよく読むとこんなことが書いてあります。



(以下引用)
東京の吉祥寺にて飲食店を開業しつつ、おじさんになってから絵やテラコッタの制作を始める。
(引用ここまで)




え?
待って。
「おじさん」?!

くうちゃんがないた
(みなみくうくう アリス館 2006年7月)



インスタグラムでも『くうちゃんがないた』ご紹介しています

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