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嫌なことを「嫌だ」と言うことは つまり 自分を大切にすること『さるのオズワルド』

さるのオズワルド
(エゴン・マチーセン 作 松岡享子 訳 こぐま社 1998年3月)


先日、とある方から参考資料としていただいたおすすめ絵本リスト。

絵本リストについて、なぜか熱く語り始めてしまったインスタグラムのライブ配信アーカイブ、『さるのオズワルド』についても語ってるので、耳で聞きたい方はこちらからどうぞ

その絵本リストにこの絵本が載っていたので、(そうだよなあ、やっぱり「良い絵本」なのだよなあ)と再認識しました。
そこで、2024年10月の循環するお庭でのシニア向け絵本の会で読んでみました。

実は、この絵本、我が家の子どもたちは、割と好きで繰り返し読んでいました。
でも、この絵本の面白さは万人ウケするだろうか?
そもそも、わたし自身がしっくりきてなかったのかもしれません。
人前で読む自信がなくて、勇気がなくて、いわゆる読み聞かせボランティアとしては子どもたちに読んでいませんでした。

シニアの皆さんは懐が深いので、どうかな〜といつもチャレンジさせてもらっています。

読み終わると「原書で読みたいわね」と循環するお庭のオーナーさんがおっしゃいました。
「翻訳、苦労されたんでしょうね」とも。

原題『Aven Oswald 』は、1947年にデンマークで出版されています。

「あら。デンマーク語では、読めないわ」

この絵本の、魅力の一つとも言えるのが「言い間違い」のことばあそび。

言い間違いを朱書きの
「おっと まちがい」で訂正する。
それがかなり(しつこく)繰り返されます。

絵との相違がありすぎるとおかしいし、かと言って、原書の韻をふむ感じの面白さを日本語に置き換えないと、言い間違いには無理が生じてしまうし、本当に苦労なさったと思います。
(以下引用)
オズワルドは、ときどき まめを にるー
おっと まちがい、ゆめを みる。
(引用ここまで)

ここは、翻訳がちょうどよくハマってる感じで、笑いが起きました。
(以下引用)
そこへ あらわれたのが、ボスざるの いかけやー
おっと まちがい、いばりや。
(引用ここまで)

ここは、辛い。

「いかけや」
わたしは、「鋳掛屋」と脳内で漢字変換がかろうじてできる。
穴の空いた鍋を修理してくれる職業でしょ。
知らないよね。
でも、説明なんかしないで、どんどん読み進めます。

この絵本を読むならば、振り切って、どんどん、どんどん読み進めるのがいい。
「おっと まちがい、」は21回繰り返されますので。




この絵本の、もう一つの魅力。

嫌なことは「嫌だ」と言うこと。

 

 

さるのオズワルドとその仲間たちは
威張り屋のボスザルにいいようにこき使われていて
でも
怖くて何にも言えませんでした。

でもある日、オズワルドは
「いやだ!」って叫んだ。

そして、ボスザルが威張り散らすことはなくなります。

嫌なことを「嫌だ!」と言うことが実はわたしはちょっと苦手です。

「嫌だ」と言ったことで、わがままだと思われないかなとか、相手が嫌な気持ちにならないかなとか考えちゃう。

でもそれって結局、わたしは「いや」なんだから、わたしはすでに嫌な気持ちになっているんですよね。
もちろん、我慢することが大事なときもあります。

やるべきことをただめんどくさいから「嫌だ」と言うのなら、それはわがままなのでしょう。

だけど、ちゃんと「嫌だ」と意思表示すること。

それこそが、自分を大切にすることなのかもしれない。

この絵本が、デンマークで1947年に誕生している。。。
77年前。

「いやだ」と叫ぶこの絵本を、いつか、子どもたちにも読んでみたい。

SUPER BEAVER
ひとこと」という曲をふと耳にして
あー。
ここにも、ありました。
(以下引用)

好きな人に好きと言えなくて
嫌なものを嫌と言えなくて
僕は僕を好きになれなくて
あなたのことすら傷つけてた
望んでいない明日を見ていた

(引用ここまで)

嫌なものを嫌ということは、自分を好きになるために、相手にを傷つけないために、やっぱり大事。

さるのオズワルド
(エゴン・マチーセン 作 松岡享子 訳 こぐま社 1998年3月)


インスタグラムでも『さるのオズワルド』ご紹介しています



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