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書評『母親になって後悔してる、といえたなら—語りはじめた日本の女性たち— 』
図書館の新着本コーナーにあって、ふと手にとって借りてきて、読み始めたら一気読みだった本。
読みながら、苦しかった。
『母親になって後悔してる、といえたなら—語りはじめた日本の女性たち— 』
(高橋歩唯 依田真由美 新潮社 2024年10月)
(ホームページより以下引用)
(引用ここまで)
わたしは、元の『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト 鹿田昌美 訳 新潮社 2022年3月)が社会現象になったことは、知らなかった。
まだ、元の本は読んでいない。
日本版だというこの本を読み始めてすぐに、(あ。これは、わたしの『働く母のための絵本講座』に似ている)と気づいた。
「ちゃんと仕事できない」
「ちゃんと家事できない」
「ちゃんと子育てできない」
「ちゃんとの呪縛」にがんじがらめになったわたし。
自分の能力が足りないせいで。
キャパが低いために。
みんなは上手にできてるのに自分はできない。
自分を責める自分。
身近な人ほどわかってくれない。
身近な人ほど、他人事。
言ってもしょうがない。
どうせわかってもらえない。
わかってもらおうと努力するのが面倒くさい。
そっちがわかろうと努力してほしい。
もうこれ以上、努力する力は残ってない。
「もう、わたしにはうまく育てられません。
もっと上手にこの子を育てられる人がいると思います」
と
保育園の懇談会で主任保育士に泣きついた かつてのわたし。
とは言え、いつもいつも悲壮感に満ち溢れていたわけでは、もちろん、ない。
子どもと一緒にザリガニを真剣に取ったり、野山を駆け回ったり、海で泳いだり、一緒にご飯を作ったり、泥団子つくったり、
子どもの頃、楽しかったことを親になって、またできるのは、役得だと思った。
子どものちょっとした仕草や成長に気がついたときに、うれしい、可愛い、と心から感じることがたくさんあった。
絵本を読む時間も面白かった。
絵本を読んでいるときは、怒らない自分でいられた。
自分が興味を持ったことには、子連れで、首を突っ込んだ。
わたしの場合は、そういうことで、相殺? できると思う。できた、と思う。
だけど、確かにこの本を読んでいると、苦しかった具体的な出来事をいくつも思い出した。
「母親なんだから当然でしょ」と自分でもがんばろうとしたし、周りからも言われた。
アトピーがひどく、夜泣きが続き、眠れないまま朝が来て、フルタイムの仕事に行く。
睡眠不足で疲弊して、身近な人に泣き言を言うと、「お母さんがそんなんじゃ、しょうがないでしょ。辛いのはこの子なんだから」と諭された。
「(仕事も配偶者も)自分で選んだんでしょ」と言われたら、もう、何も言えなかった。
「できない」
「無理」
「がんばれない」
と容易には言えなかった。
そうして気づけば、こんな母親でも子どもたちは大人になっていった。
母親になったことを後悔しているか、と言われたら、わたしは後悔はしていない。
そんなこと、考えたこともなかった。
でも、自ら無意識に引き受けてしまった「理想の母親像」と
無言で押しつけられる「理想の母親像」がある限り、
しんどい母親はいなくならない、とは思う。
母親になったことを後悔する人を決して責められない、とも思う。
そして、どんなに子育て支援制度が充実したとしても、子どもを産まない、という選択をする人は、ますます増えると思う。
見せかけだけの「子育てって楽しいよ」「子どもがいると楽しいよ」には、騙されないだろうと思う。
わたしは、一見ふわふわした「絵本で子育て」なんて講座をするんだけど、腹の中にある原動力は、怒り、憤り、のようなものなんじゃないかとずっと前から感じていた。
もちろん、それをそのまま表に出すことはしない。
(そんなことしたら、誰も近寄ってきてくれない)
けど、エネルギー源は、割とどろっと発酵したもの。
エネルギー源がなかったら、やらない。
公務員を辞めてまでやらない。
他人のことなんてどうでもいい。
余計なお世話だもん。
でも、やらざるを得ない。やらざるを得なかった。自分のため、なんだろうと思う。
そのものの姿が、この本の中にあるような気がする。
こんなことをこんなふうに書いたら、ビビらせちゃうかもしれないと躊躇して、今、冷静になって、この文章の放出をためらっている。
ここまで、気づけば本の内容には全く触れてないけど、この本、読んでみてほしい。
最近、やってない「働く母のための絵本講座」
やりたくなった。
ドロドロのやつ。
↓
【メニュー】働くママのための絵本講座 仕事も家事も育児も中途半端なあなたのための応援講座
今、幼い子どもを死なないように、生かしているだけで、もうすごい。
すごいんだよ。
『母親になって後悔してる、といえたなら—語りはじめた日本の女性たち— 』
(高橋歩唯 依田真由美 新潮社 2024年10月)
単行本
キンドル
わたし、マンツーマンセッションもお受けしてます。
マンツーマン講座
【ご感想】働くママのための絵本講座 漫画にしていただきました
読みながら、苦しかった。
『母親になって後悔してる、といえたなら—語りはじめた日本の女性たち— 』
(高橋歩唯 依田真由美 新潮社 2024年10月)
(ホームページより以下引用)
ずっと忘れていた。私は私なんだということを。NHK「クローズアップ現代」から待望の書籍化。
「母親なんだから」と我慢を強いられ、自らの「理想の母親像」に縛られ、理不尽な目に遭っても口をつぐんできた——「後悔」を口にした日本の女性たちは、どのような人生を歩み、何を経験してきたのか。切実な想いを丁寧に聞き取った、社会現象になった話題書『母親になって後悔してる』の「日本版」というべきインタビュー集。
(引用ここまで)
わたしは、元の『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト 鹿田昌美 訳 新潮社 2022年3月)が社会現象になったことは、知らなかった。
まだ、元の本は読んでいない。
日本版だというこの本を読み始めてすぐに、(あ。これは、わたしの『働く母のための絵本講座』に似ている)と気づいた。
「ちゃんと仕事できない」
「ちゃんと家事できない」
「ちゃんと子育てできない」
「ちゃんとの呪縛」にがんじがらめになったわたし。
自分の能力が足りないせいで。
キャパが低いために。
みんなは上手にできてるのに自分はできない。
自分を責める自分。
身近な人ほどわかってくれない。
身近な人ほど、他人事。
言ってもしょうがない。
どうせわかってもらえない。
わかってもらおうと努力するのが面倒くさい。
そっちがわかろうと努力してほしい。
もうこれ以上、努力する力は残ってない。
「もう、わたしにはうまく育てられません。
もっと上手にこの子を育てられる人がいると思います」
と
保育園の懇談会で主任保育士に泣きついた かつてのわたし。
とは言え、いつもいつも悲壮感に満ち溢れていたわけでは、もちろん、ない。
子どもと一緒にザリガニを真剣に取ったり、野山を駆け回ったり、海で泳いだり、一緒にご飯を作ったり、泥団子つくったり、
子どもの頃、楽しかったことを親になって、またできるのは、役得だと思った。
子どものちょっとした仕草や成長に気がついたときに、うれしい、可愛い、と心から感じることがたくさんあった。
絵本を読む時間も面白かった。
絵本を読んでいるときは、怒らない自分でいられた。
自分が興味を持ったことには、子連れで、首を突っ込んだ。
わたしの場合は、そういうことで、相殺? できると思う。できた、と思う。
だけど、確かにこの本を読んでいると、苦しかった具体的な出来事をいくつも思い出した。
「母親なんだから当然でしょ」と自分でもがんばろうとしたし、周りからも言われた。
アトピーがひどく、夜泣きが続き、眠れないまま朝が来て、フルタイムの仕事に行く。
睡眠不足で疲弊して、身近な人に泣き言を言うと、「お母さんがそんなんじゃ、しょうがないでしょ。辛いのはこの子なんだから」と諭された。
「(仕事も配偶者も)自分で選んだんでしょ」と言われたら、もう、何も言えなかった。
「できない」
「無理」
「がんばれない」
と容易には言えなかった。
そうして気づけば、こんな母親でも子どもたちは大人になっていった。
母親になったことを後悔しているか、と言われたら、わたしは後悔はしていない。
そんなこと、考えたこともなかった。
でも、自ら無意識に引き受けてしまった「理想の母親像」と
無言で押しつけられる「理想の母親像」がある限り、
しんどい母親はいなくならない、とは思う。
母親になったことを後悔する人を決して責められない、とも思う。
そして、どんなに子育て支援制度が充実したとしても、子どもを産まない、という選択をする人は、ますます増えると思う。
見せかけだけの「子育てって楽しいよ」「子どもがいると楽しいよ」には、騙されないだろうと思う。
わたしは、一見ふわふわした「絵本で子育て」なんて講座をするんだけど、腹の中にある原動力は、怒り、憤り、のようなものなんじゃないかとずっと前から感じていた。
もちろん、それをそのまま表に出すことはしない。
(そんなことしたら、誰も近寄ってきてくれない)
けど、エネルギー源は、割とどろっと発酵したもの。
エネルギー源がなかったら、やらない。
公務員を辞めてまでやらない。
他人のことなんてどうでもいい。
余計なお世話だもん。
でも、やらざるを得ない。やらざるを得なかった。自分のため、なんだろうと思う。
そのものの姿が、この本の中にあるような気がする。
こんなことをこんなふうに書いたら、ビビらせちゃうかもしれないと躊躇して、今、冷静になって、この文章の放出をためらっている。
ここまで、気づけば本の内容には全く触れてないけど、この本、読んでみてほしい。
最近、やってない「働く母のための絵本講座」
やりたくなった。
ドロドロのやつ。
↓
【メニュー】働くママのための絵本講座 仕事も家事も育児も中途半端なあなたのための応援講座
今、幼い子どもを死なないように、生かしているだけで、もうすごい。
すごいんだよ。
『母親になって後悔してる、といえたなら—語りはじめた日本の女性たち— 』
(高橋歩唯 依田真由美 新潮社 2024年10月)
単行本
キンドル
わたし、マンツーマンセッションもお受けしてます。
マンツーマン講座
【ご感想】働くママのための絵本講座 漫画にしていただきました