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子どもはちゃんと本質的ななにかを直感でつかみ取る『おおきいトンとちいさいポン』

おおきいトンとちいさいポン
(いわむらかずお作絵 偕成社 1980年初版)


おおきいトンと
ちいさいポンが
「おおきいほうがいい」
「ちいさいほうがいい」と
お互い、自分の「おおきい」「ちいさい」という特徴を「いい」と言い合いながら散歩に行きます。

相手と比べて、自分の方がいい、
と優越感を抱くときもあるし

やっぱり相手の方がいい、
とうらやましく思うときもあります。

おおきいほうがいい
ちいさいほうがいい

繰り返されて
いったいどういうオチなんだろうと
みんなが心配に?なった頃、
納得のオチが待っています。

「ちいさいのも いいね。
おおきいのも いいね。」

と。

この絵本は、我が家で子どもたちが大好きだった絵本です。

すでに成人した長女が3歳のとき
この絵本を読むと

「おおきいの、いいね」
「ちいさいの、いいね」

合いの手を入れながら聞いてました。

彼女は、どっちも「いい」んです。

「おおきいの、いいね」
「ちいさいの、いいね」

振り子のように揺れながら
入れる合いの手が
可愛かったなあ。

「みんなちがって、みんないい」
と金子みすゞは言ったけれど
違う、とか、いい、とかは
他者の存在を認識して初めて生まれる概念なのかなあと。
自分以外の誰かのことを意識するようになる。

子どもも
生まれてすぐは
生存するだけでいっぱいいっぱいだろうけれど
成長する過程で
その年齢なりの社会性が生まれて
「他者」を認識するようになって
おおきい、ちいさい、と
比べて言える概念を 取得していくんだろうし
その中で
優越感を抱いたり
羨ましいなあという気持ちを抱いたりする

そんな感情を持ち得ていくようになるってことは
つまり、心が成長しているってことなんだろうなあと。

だから
この絵本を読んでもらって
自分の気持ちをこの絵本に添わせて
グッと入り込んで楽しめるのかなあと。

言葉は言い過ぎない。
シンプル。
そして繊細な絵。

登場人物は、トンとポンだけ
なのだけれど
実は、ここに重要なポジションを得ている人?が描かれています。

それは

「トンボ」

「トンボ」
「トンボ」

うちの子たちは言ってました。

もしかしたら、3歳だった娘の言葉は
「トンボの言葉」だったのかもしれません。

この絵本は本質的ななにかが描かれています。
大人はそれがなんなのか
言葉で説明されたいけど
子どもはちゃんと、その本質的ななにかを直感でつかみ取ってちゃんと選ぶ。
そして繰り返し楽しめる。

すごいなあって思います。

ちなみに我が家では、
風が吹いてきて帽子が吹き飛ばされたポンを
「ハゲてる!」と大喜びしてました。(すみません)
(保育園の園長先生に似てる)

以前、この絵本を読んだとき
衝撃の発言がありました。




思い込みって、怖いなぁ、と思いました。

てっきり、トンが、ポンの小ささを羨ましく思い、ポンがトンの大きさを羨ましがっている、
と思い込んでました。

自分の経験から、そう感じて、
あまり手にとっていない絵本の一冊となってしまってました。

今日聞いても、そう感じて、
みんなの感想を聞いて気が付きました。

なんということー!!

買いますこの絵本。





驚きました!!
そうか!
トンの言葉をポンの言葉
ポンの言葉をトンの言葉
として読んだら
全然、違うお話になりますよね。

おおきいトンとちいさいポン
(いわむらかずお作絵 偕成社 1980年初版)




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