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絵本から読み物への橋渡しにもうってつけ『なぞなぞのすきな女の子』

ご依頼をいただき、毎月1回、循環するお庭(とわたしが勝手に呼んでいる個人のお宅のお庭)で
シニアの皆さんと90分くらい絵本を楽しんでいます。

2月に、外で、絵本を読むっていうね。
お元気ですよね。

5冊読んだのですが、そのうちの、1冊がもうね、好きで好きで好きで好きで好きで。
っていうことを、改めて思い知りました。

自分、どんだけ好きなんだ。
自分、どんだけ嬉しいんだ。
読みながら、気づいていました。
これ、今、めっちゃ好きがあふれてるぞ、自分。

 

それはどの絵本かっていうと。
絵本ではなくて、幼年童話、ですね。

 

なぞなぞのすきな女の子
(松岡享子さく 大社玲子え 学習研究社 1973年2月)


人前で読むことは、ほとんどないですよね。

この本、我が家では子どもたちと、そりゃあもう、繰り返し繰り返し読みました。
久しぶりに読んで分かりましたが、もう、ほとんど、覚えてる。
すでに、我が身にことばのリズムが心地よく入ってる。

それはやっぱり、松岡享子さんの日本語、ですよね。
秀逸。

女の子のおとぼけっぷりと、賢さと、おおかみの間抜けさと、お母さんの鷹揚とした構えと、ナイスアシストのうさぎ。
登場するのは、4人だけ。
それぞれのキャラが立って、それが言葉に乗り移ってて。

物語の緩急が心地よく。

なぞなぞを考えて、答えたくなるような、引っ張り込む力も持ってて。

おおかみのスットボケぶりに、ツッコミを入れたくなり。

そこに、大社玲子さんのちょうどいいボリューム感と、親しみやすいテイストの絵が、よりユーモラスさを際立たせていく。

シニアの皆さん、声をあげて笑いながら、楽しんでくれました。

 

どんなお話かっていうと、

ちょうどお昼に食べる女の子を探していたオオカミに出会うんです。
女の子は、なぞなぞ遊びをしてくれる人を探していました。
そこで、オオカミを誘います。
そしてオオカミになぞなぞを出してもらいます。

オオカミは
「しろくて、やわらかくて、うまいもの
なあんだ。
ー女の子」

というなぞなぞを出します。

すごいでしょ。

でももっとすごいのは
この女の子の返しです。
「へえー、そんな なぞなぞ、はじめて きいたわ。
てちょうに つけとかなくっちゃ。」

すごいでしょう?

恐れない。
あくまでも、マイペース。

そして、オオカミになぞなぞを出します。
「しっぽ ふとくて、
口 ぱっくり。
しろい は ぎざぎざ とがってて、
まっかな したべろ ぺろりと たらし、
耳も くろけりゃ 手も くろい。

ーなあんだ?」

なんだと思いますか?

オオカミは
わからないんです。

それで考えている間に
女の子は家に帰って
お母さんが作ってくれた
スペシャル豪華なお昼ご飯を食べるんです。

このお昼ご飯の絵をみながら
白飯を食べられるくらい(笑)
美味しそうなんですよ。

オオカミに近づいてきた
こうさぎは
このなぞなぞの答えがすぐにわかります。

そして、こうさぎにヒントを出してもらって
オオカミはやっと答えがわかります。

そうねえ、
案外、自分のことは
わからないのかもしれないですよね。

もう、とにかく
この女の子の怖がらなさ加減と
面白がり具合、
そして
オオカミのアホヅラと
すっとんきょうぶりが
おかしくておかしくて
めっちゃ大好きです。

松岡享子さんがノリノリで書いている気がします。


2025年2月にギャラリー エー クワッドにて開催中だった「松岡享子からの贈り物」にて
松岡享子さん手作りの指人形。現物が飾られていて感動。

この指人形が元で生まれたのが、このお話なんだそうです。
巻末に、松岡享子さんによる、誕生秘話が掲載されています。
あ〜、だからなんだ。
この物語のイキのよさ、みたいなもの。


この幼年童話、好きな人多いと思います〜。
読んでみてほしい!

絵本から読み物へ、その橋渡し的な意味でも、読んであげるのに、うってつけ。

 

2013年に新装版が出たみたいです。

続編も出てます。
じゃんけんのすきな女の子
(松岡享子さく 大社玲子え 学習研究社 2013年2月)


インスタグラムでも喋りました。




 

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