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乳児さんたちと楽しめる名作科学絵本『どうやってねるのかな』

ゴールデンウィーク明け、5月に保育園に絵本を読みに行きました。

乳児組さん、0歳、1歳、2歳のみんなと読んだ絵本のうち、盛り上がったのがこちら。

どうやってねるのかな
(やぶうちまさゆき 福音館書店 1987年3月)



見開きに、動物が一種類描かれています。

乳児組さんと読むときは、絵を見せて「これ、知ってる?」と聞きます。

知ってる子は、意気揚々と「コウモリ!」と答えます。

ピンとこない様子の子もいます。
(フラミンゴやオオカミやヒョウは難しいみたい)

書いてある文章を読みます。


(以下引用)
コウモリは
どうやって ねるのかな

(引用ここまで)

すると、乳児さんたちは、どうやって寝るのか、考えて、教えてくれます。
こうやって、こうやって、とやって見せてくれる子もいます。


(以下引用)
さかさに
ぶらさがって
ねます

(引用ここまで)

乳児さんのどよめきが起きます。
「できる?」と聞くと
ピシッと手をあげて、きっぱりと
「できる!」と答えてくれる子がいます。

この世に生まれて、まだたった数ヶ月、1年、2年ちょっとの人たちと、ワイワイ盛り上がることのできる絵本なのです。

余計なものは描いていない。
白い背景。
起きている動物の絵と
寝ている動物の絵。
簡潔な最低限の言葉。

潔く、これだけで、あとはこちら(読み手と聞き手)に委ねてくれている。
委ねられたこちらは、年齢の差を軽々と超えて、交流できる。
そんな名作絵本なのです。



2025年5月17日、この絵本の作者 薮内正幸さんのご長男で、薮内正幸美術館 館長 薮内竜太さんのお話を聞きに行ってきました。

会場は、沼津の絵本専門店グリムさんです。

 同じシリーズの
『なにのこどもかな』
(やぶうちまさゆき 福音館書店 1987年3月)
の原画展も開催中でした。

薮内正幸さんがいかにして、動物を描く絵本作家になったか、というお話は、何回聞いても胸熱です。
生まれつき絵を描く天才だったわけではない。

これだけ何かを一心に好きになれること。
そして、好きでい続けること。
応援してくれる人に出会えること。

その天才だったってことなんですね。

これだけ好きになれるものを見つけることができたなら、どんなに幸せだろう。
できればなるべく早めに見つけられたらいい。

そしたら、帰路に立ったとき、選べる。
がんばれる。

でも、そこまで好きなものをそんな簡単に見つけられない。
だから、楽な方を選んだり、消去法で決めたり、人の言いなりになってしまったり、人のせいにしてしまう。
それは責められない。

ただこうして実際に、好きなものを好きで、圧倒的に好きで、ひたすらに描き続け、描き続け、ダメ出しされても、描き続け、圧倒的な量をこなした人が到達できる現物を、1000円ちょっとで買うことができる。

そして、生まれて数ヶ月、1年、2年の人たちが、その1000円ちょっとで買った現物を全肯定で楽しむ姿を見ると、
描いた人が、今はこの世にいなくても、恩恵を受けることができるのは、わたしなのは間違いない。

ありがとう。薮内正幸さん。

新たに購入した
『なにのこどもかな』
読んでみます。

どうだろう。
難しいのが紛れ込んでいるけれども。

原画展は2025年6月8日までです。

薮内正幸さんが高校3年生のときのモノクロのスケッチは必見です。
会期中にぜひ。
ハリネズミのマスキングテープが可愛かったので購入しました。



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