Blog ブログ

体験入学受付中

HOME // ブログ // おひさまを子どもと見立てて、こんなに気持ちの良い絵を描ける『わたしがおひさまだった』

Blog ブログ

CATEGORY


おすすめ絵本

おひさまを子どもと見立てて、こんなに気持ちの良い絵を描ける『わたしがおひさまだった』

わたしがおひさまだったら
(片山健 福音館書店 2004年11月)



「もし、わたしが○○だったら」

そんな空想をするのは、楽しいものです。

もし、わたしがお姫様だったら。
もし、わたしが鳥だったら。

大人だって

もし、わたしがお金持ちだったら。
もし、わたしが男だったら。
もし、わたしが江戸時代に生まれていたら。
もし、わたしが人気の歌手だったら。
もし、わたしがチェリストだったら。

空想だから、自由です。

いや、自由ですけども。
ここまで、自由だと、一瞬ポカンとしちゃう。

「わたしがおひさまだったら」ときた。

なれるわけないナンバーワン。

でも、もしおひさまだったら、何をするか。

いつも、おひさまがしてくれていることだ。

もし、おひさまが、人だったらきっと「おはよう」って言ってるんだろう。

おひさまに太い眉毛と大きな鼻の穴とくっきりとした目と厚めの唇があって、手があって。

おひさまを子どもと見立てて、こんなに気持ちの良い絵を描ける人って
片山健さん以外にいないんじゃないかって思う。


おひさまは、ちょっと偉そう。

鳥に
「うたいなさい」

両手の人差し指を立てて、言う。

こちらに向かって飛びながら、
花に「さきなさい」
犬に「はしりなさい」って、ちょっと命令口調で言う。

言われた鳥も犬も花も、喜んでいる感じ。

絶対的な存在。

ある時期の子どもって、「おひさま」的な存在かもしれない。

絶対的。

おひさまのように起きてきて、
「おむつを替えなさい」
「おっぱいを与えなさい」と命令して(実際、本人は命令してないんだけど)
それを周りの人間は嬉々としてお世話して(嬉々としてじゃない時もあるけど)

圧倒的で絶対的な存在。

周りにいる人は、ついていけずに、ぽかんと口を開けてしまいそうになるときもある。

当の子どもたちは、自覚がないから、この絵本を読むと、ぽかんとしてる。

思い当たる節がある子は、ニヤニヤしてる。

見せつけられると、自分ってこんなか、と客観視できるかも。

そうよね。

こどもって、おひさまみたい。

なんだかスカッと気持ちのいい絵本で大好き。

夏休みに突入した放課後デイサービスの子どもたちとこの絵本を読みました。

そしたら、
「もう、おひさまはいいよ」
という感じになりまして、
そうですよね、最近の夏のおひさまは殺人的ですもんね・・・

夏の手前か夏が終わってから、読んだ方がよかったかなあ。


実はわたしは、我が子たちが幼い頃、片山健さんの絵本に出会いそびれています。
残念ながら、片山健さんの絵本を我が子たちには読めなかったです。
読みたかったです。

2022年11月に
武蔵野市立吉祥寺美術館にて開催された
片山健の油彩画展に行ってきました。

圧倒されました。

片山健さんの絵に描かれる子どもは、野生を感じます。
自然。
土、川、風、水、光、虫、そういうものに近い感じ。

野生の子どもが描かれている。
それがすごくいい。






インスタグラムでも喋りました。




わたしがおひさまだったら
(片山健 福音館書店 2004年11月)


ブログ一覧