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時間の流れを自在に操るという不遜な領域に足を踏み入れている怖さ『まばたき』

長期休みに絵本を読みに行ってる学童保育所。
いつも言われるのは、これ。

「怖いの持ってきた?」
「怖いの!」

「ある意味怖い でもわかんない、みんながどう思うかわかんない。
わたしは怖い」

「どういうふうに怖かった?」

「うーん、言葉で説明できない怖さ。いっていい?」

「いいよ」

表紙を見せる。

「うううわああ」
「きもいわ」
「うわー」
「絵が怖いわ」
「絵がリアルだわ」


まばたき
(穂村弘 作 酒井駒子 絵 岩崎書店 2014年11月)



「まばたきをしないで見てて」と言ったら、目を閉じないように指で押さえてる子どもたち。

読みます。

「ひやああああ」
「うわあああ」
「やばいやばいやばいやばい」
「はやく終わって」

ページをゆっくりめくります。
読み終わります。

「待って。意味わかんない」
「怖いわ」
「最後だけ、怖い」

わかるよ。
わたしも、この絵本、最初に出会ったとき、みんなとおんなじだった。
本屋さんで
(わ! ほむりんの絵本だ!)と立ち読みして、のけぞった。

ほむりんとは、歌人の穂村弘さん。
わたしはこの人のエッセイが好き。
抱腹絶倒。
あの、ほむりんが絵本を?

絵本の人じゃない人が絵本を作ると、場外ホームランをいきなりかますようなことがある。
この絵本もそう。

ページをめくる。
そのことによって、時間の流れを自在に操る。

引き伸ばしもするし、縮めもする。

その容赦のなさがエグい。
ある意味、怖い。
こんな怖い絵本は、ない。
不遜な感じもする。

まばたきしてたら、見逃してしまう。

絵本でこんなこと、しやがって。ほむりんったら。


クリエイターおすすめの絵本650冊
(玄光社 2015年7月)

こちらのムック本でも何人かがおすすめ絵本として挙げてました。

★宇野亜喜良

(以下引用)
たぶん、今までこんなにシンプルで意外性に富んだ絵本はなかった気がする。穂村さんの発想に、酒井さんの視覚表現による答えの出し方に拍手です。
(引用ここまで)




★なかえよしを/上野紀子

(以下引用)
子どもに媚びず、新しい絵本の世界を広げている。酒井駒子さんの日本人離れしたセンスが素晴らしい。この本を超えるのは容易ではない。
(引用ここまで)




こんな絵本は、なかった。
絵本の世界をぐいっと広げてる。

それはすごいことだと思います。


「えほんのぼうけん」というシリーズなのですね。

読むなら、年中さんくらいからかなあ。



インスタグラムでも喋りました








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