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子どもたちは平らかな場所にすでに居る 『ぼくたちのコンニャク先生』

ぼくたちのコンニャク先生
(写真/文 星川ひろ子 小学館 1996年2月)


写真絵本です。

わたしがこの絵本を知ったきっかけは、映画「じんじん」です。
北海道の剣淵町は絵本でまちづくりをしています。
絵本の館という図書館があります。
1年間の新刊絵本の中から、来館者がいいと思う絵本を投票して決まる絵本の里大賞があります。

この絵本は、第6回けんぶち絵本の里大賞を受賞しているのです。
この絵本を来館者が、いいと思って投票したんだー。

ちなみに、1996年(第1回)日本絵本賞も受賞しています。


脳性麻痺の近藤雅則先生。
保育園で働いています。
子どもが「コンニャク先生」とニックネームをつけました。

コンニャク先生にはうまくできないことがあります。

例えば、コンニャク先生は、ご飯をこぼしてしまいます。

学童保育所で読んだら
「先生が? こぼしちゃうの?」
「オーマイガッ!」と小学生たちが口々に言いました。

それに、走れないし、うまく話せない。
この絵本の園児さんは、コンニャク先生に聞きます。

「ねえ、どうして?」

ここがすごいなあって思います。
聞けちゃう。
わたしだったら、聞いたら悪いかな、失礼かなと腰が引けて聞けない。

でも、「どうして?」と聞いてくれたら、
どうしてなのか、話せる。

そしたら、わかる。

コンニャク先生は、苦手なこともあるけど、他の人にはできないことができます。

例えば、コンニャク先生は、足で折り紙を折ることができます。
足でハサミを使うことができます。足で迷路を描くことができます。

読んでいると、子どもたちは、思わず
「天才じゃん!」
「すげ」

と尊敬の眼差しになります。

「え〜。なんで手でやらないの?」
「あ、そうか、震えちゃうのか」

この絵本を読んでいて、最高にいい場面は、ラストです。

(以下引用)
コンニャク先生〜っ!
な〜んだい。
だぁ〜いすき!
(引用ここまで)

ここを読むと、目の前の子どもたちもニコニコの笑顔になるのです。
毎回。
それがすごく好き。

「人権」とか「障害」とか、そんなものは軽々と飛び越えて、子どもたちは平らかな場所にすでに居る。
そう感じられて、大好きな絵本。


「コンニャク先生って本当にいるの?」

「そうだよ。座間市ってわかる?
座間市の保育園で働いてたんだって。」

わたしが、この絵本を読み始めた頃、コンニャク先生がブログにメッセージをくださったんです。

それで2013年にfacebookでお友だちになってもらいました。

子どもたちに読むと、毎回それを自慢します。
わたしのために、見返しの迷路を描いてくれたんです。


インスタグラムでも喋りました↓





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