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例のあの人が…なんの救いもない怖い絵本。幻の原画あり『きれいなはこ』

きれいなはこ
(せなけいこ 福音館書店 1972年12月)



「怖い絵本持ってきた?」
「怖い絵本持ってきて!」

学童保育所に絵本を読みに行くと、いつも、怖い絵本をリクエストされるので、「本当にいいのね?」とこの絵本を読みます。

わたしは怖いです、この絵本。
『ねないこだれだ』と同じくらい、もしくはそれ以上、怖いです。

表紙からはそんなに怖い佇まいは感じられません。

綺麗な箱が落ちています。

ねこちゃんとわんちゃんが、どちらが先に見つけたかでいがみ合います。

ねこちゃんが引っ掻きます。
わんちゃんが噛みつきます。

すると、綺麗な箱から、例のあの見覚えのある人(?)が出てきます。

そして、ねこちゃんの爪が、、
わんちゃんの口が、、

そして、例のあの人が、二人を連れて行ってしまいます。

それで、終わり。

なんの救いもない。

口も爪も元に戻らない。
ねこちゃんもわんちゃんも仲直りしない。
連れて行かれたまま。

それで終わり。

怖くないですか?

幼い子どもに、わたしは読めません。

こんな怖い絵本をなぜ買ったのか。

実はわたしはこの絵本を我が子が幼いときには読んでいません。
購入したのは、せなけいこ展で、原画を見たからです。

この絵本には、幻の原画があります。
原画展で見ました。
絵本には採用されていません。

その原画は、ねこちゃんとわんちゃんが爪も口も元通りになっていて、握手して仲直りしてて、例の人?が一人で飛んでいってる絵です。

この1枚があれば、救いになるはずだったのに。
せなけいこさんは、決して、子どもたちを恐怖に陥れるつもりはなく、最後に救いを用意していた。
編集方針だったのでしょうか?

そのことに驚愕して、購入したのです。

きれいなはこ
(せなけいこ 福音館書店 1972年12月)






インスタグラムでも『きれいなはこ』ご紹介しています

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