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読み聞かせボランティア

「これを彼らの耳に届けたかったのだ」中学3年生に朝の読み聞かせ(ラスト)

2024年11月に中学3年生に絵本を読んだことを書きます。
いただいている時間は10分です。

3年生に絵本を読めるのは、この日が最後、とのことでした。
受験があるから。

どの絵本を読もうか、すごく迷ったけど、言葉のやり取りを楽しみたいと思って、時期的にもいいかなと思って、久しぶりに『ぶたたぬききつねねこ』(馬場のぼる こぐま社)を読んでみました。

机を下げて、床に体育座り。

次のページのしりとりの言葉を当ててもらう。
ヒントを出しながら。

両端に、遠慮がちに座ってた中学3年男子たちがどんどん声を出し始める。

(以下引用)
おひさま まど どあ
(引用ここまで)



「あ」

「あ」

ちっちゃい声で「芦田愛菜」 と聞こえたので、思わず拾ってレスポンスしてしまいました。



「あほうどり」

「こうのとり」

「うばぐるま」

を言い当てた生徒に対しては、みんなから自然と「おおおおお〜」と声が漏れました。

なんかすごいことをした、表彰された、いい点とった、とかじゃなくても、こういうちょっとした「おおおおお〜」を受け取れるのって絶対うれしいはず。

そういう時間が生まれる絵本なのだなと改めて、この絵本の存在価値の高さに気づかされました。


1冊目で、気持ちを通じ合わせて からの
2冊目。


『魔法のことば』(柚木沙弥郎 絵 金関寿夫 訳 福音館書店)



人と動物が心も体も行き来できていた神話的世界。

自分のことばで世界はできている

そういうふうになっているのだという根拠のない言い切りの確信。

エビデンスとか検証とか調査とか数値とかじゃなく。

もっと根源的にそうなのだと力強く言い聞かせてくれる魔法のことば。



これを中学3年生の彼らの耳に届けたかったのだ。




2冊、読み終わって
「3年生のみんなに絵本を読めるのは、今日が最後なんだって」と言ったら

一斉に
「えーー!!」という声が上がりました。

だよねー。

でも、読めるだけでありがたいこと。
仲間とともに「中学生に絵本を読みたい」と訴え続けて10年。
やっと実現したのでした。

中学1年生に朝の読み聞かせ


(ややこしいあれこれを抱えているかもしれない)中学1年生に朝の読み聞かせ


中学3年生と読んだ 見た目とは裏腹に「存在の全肯定」をぶちかましてくる絵本『いのちのかぞえかた』


「絵本のまち三島」中学3年生に20分で読んだ3冊はこちら



欲を言えば、本当は、10分じゃなくて、1コマ欲しい。

高校や中学校で絵本の授業をさせていただけませんか?


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