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読み聞かせボランティア

【読み聞かせプログラム例】年度初めの小学1年生に15分 笑いと正義

2025年5月中旬のことです。
今年度、初めての読み聞かせ。
1年生に15分。

どんなだったか、どの絵本を読んだか、書いておきたいと思います。



「はじめまして。わたしは、ジョウコウといいます。近所に住んでいます」

1冊目。脳内で能動的に作って美味しく食べる快感を得られそうな絵本をまずは。

「作ったことある?」と聞いてみますと
「あるー!!」と口々に。
「海苔巻き作ったことある!」という強者も。

ワイワイおしゃべりが始まりましたが、読み始めます。

『おにぎりをつくる』
(文・高山なおみ 写真・長野陽一 ブロンズ新社 2020年1月)

おにぎりは「いのち玉」だと、わたしはすでに知っている。
裏表紙にある高山なおみさんの言葉が秀逸。(←大人必読)
その思いを腹に据えて読みました。



2冊目。

「みんなは、何語を喋ることできますか?」
「日本語!」
「ちょっと、英語も喋れる!」


『ふんがふんが』
(おおなり修司・文 丸山誠司・絵 絵本館 2022年10月)

ふんがふんが で進行する物語。
ふんがふんが でなにを言っているかは絵が物語っている。
言葉が通じなくても、気持ちは通じる。

言葉で理解し合えないときがあっても、心を通わせることは、できる。

「ふんが ふんが」
「あははは」
「くすくす」
「ププ」

「静かに!」

「ふんが ふんが」
「あははは」
「くすくす」
「ププ」

「静かに!」

静かに聞こうと注意をしてくれる女の子がいました。
その正義感、好きだよ。
でも、笑ってくれていいんだよ。


3冊目。

「じゃ、今度はちょっと難しい絵本なんだけど、いいかしら」
「いいよ!」

『とおくにいるからだよ』
(くりはらたかし 教育画劇 2019年10月)

絵本は絵だから平面だけど、小さく描いてあれば遠くにいるし、大きく描かれたら近くにいる、奥行きが生まれることをユーモラスに描いている。

つい、「とおくにいるからだよ」と子どもたちから声がもれる。
そのままの言葉が、絵本の中から、こだまする。
輪唱みたいに。会話に混ざるように。
途中からは、ハッと息をのんだり、シンと聞き入ったり。
遠近法の世界を楽しめる絵本。


4冊目。

「まだ、読んでもいいんですか?」
「ぜひ」と先生。

「あのね、ジョウコウには子どもが3人いるのね」
「えー! うちと一緒だ!」
「一番上の子は、26歳なのね」
「えー!! うちのお父さんとお母さんと1歳違いだ」
「・・・まあ。そうなのね。それでね、その子が生まれたときに、近所の人がお祝いをくれたの。それが『ピカチュウの毛布』なのよ」
「えー!? ピカチュウ! 知ってる!」
「じゃあ、この絵本を読みます」

『ポケモンのしま』
(作・絵/ザ・キャビンカンパニー 小学館 2020年3月)

はー。
また、泣きそうになってしまった。
泣かないように、耐えた。
読むたびにこれか。


「今日は、絵本を読ませてもらって、ありがとうございました」

すると、教頭先生が、わたしの本を手に前にやってきて

「みんな、この本、知ってる?
知らない?
この本を書いた人、見て。
上甲知子って書いてある。
上甲さんが書いた本ですよ」

となんとわたしの本の宣伝を1年生にしてくれました!







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2020年に買ってよかった絵本トップ4 にエントリー『おにぎりをつくる』


どちらかといえば「ふんが寄り」の人たちと『ふんがふんが』

「遠近法」という言葉を使わずに遠近法を面白がらせる秀逸な絵本『とおくにいるからだよ』

ポケモンと共に過ごした人も そんな子どものそばにいた大人もグッとくる絵本『ポケモンのしま』 



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