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誰かに話したくなる絵本のうんちく講座 現場での経験と主観と妄想をプラス
3週連続講座の最終回でした。
今回は、秋晴れ。

1日目の様子はこちらに
誰かに話したくなる絵本のうんちく講座 例のうさぎと例のねずみ
2日目の様子はこちらに
誰かに話したくなる絵本のうんちく講座2日目 例のくまと例の虫
3回コンプリート参加の方、3回目だけ参加の方、2回参加の方、20名弱のご参加でした。
ほぼ全員の方が、今回取り上げる3冊の絵本を読んだことある、とのこと。
特殊集団かもしれませんね。
『いないいないばあ』
(松谷みよ子 瀬川康男 童心社 1967年4月)
『三びきのやぎのがらがらどん』
(マーシャ・ブラウン え せたていじ やく 福音館書店 1965年7月)
『すてきな三にんぐみ』
(トミー・アンゲラー 今江祥智 偕成社)
今回は、時間配分がタイトで、終わってから全員の方に感想を言ってもらうことはできなかったのですが、何人かから、個別にいただきました。
■「この赤ちゃん絵本を、中学生に読んでいいんだってことに、びっくりしたし、感動しました」
■「何歳だから、こんな絵本と決めつけなくていいんだな」
■初めましての方から。
「どこで勉強したんですか? 絵本の講座に参加したことはあるけど、こんな面白い話、聞いたことなかったです」
↓
絵本の絵と言葉、関連する本に書いてあることに、わたしの読み聞かせの現場での経験と主観と妄想をちょうどいい塩梅でプラスして講座を練っています。
面白がってもらえてよかったです。
■小学6年生のお子さんのいらっしゃる方は、1回目の講座に参加して、絵本を借りて帰ったんですって。
そしたら、お子さんがその絵本に興味を示し、自分で読み始めて「面白い」と。
読み聞かせが復活したそうです。
■「なんでこの絵本がいいのか謎」が「よくわかった」と変化した方も。
■あっちゅさんは、長文のレポートを送ってきてくれました。
今までいただいたご感想の中でも上位に食い込む長文。
講座中のメモをまとめ、合間にご自身の示唆に富んだ見解や感想、上甲に対する鋭いツッコミを【】かっこ書きでモリモリとくれました。
ちなみに、あっちゅさんは、かつてカフェバーで開催した夜の絵本セラピーに全出席してくれたガチ理系の男性です。
2か所ご紹介します。
瀬田貞二さんの翻訳における「内的なリズム」について。
【うーん、分かるような、分からないような。
近藤康太郎氏のいう「グルーブ感」に近いものだという感じかな?と思ったが、私には腹落ちがしていない。
もう少し事例を交えて説明して欲しい。
(他の方々は腹落ちしたのだろうか?)】
↓
「内的なリズム」について、わたしは、瀬田貞二さん以外のお二人の方の翻訳と読み比べてみる、という方法をとってみましたが、冒頭部分だけでは伝わりにくかったか。
もしくは、原文を直訳してみる、という方法もありだったか。
反省のうえ、検討して改善します。
【ガラガラドンの原題とどこからガラガラドンと名付けたのか、語源を知りたかった。
話してくれなかったので失礼ながら講義中に調べちゃったらガラガラドンの原題は、
英語では "The Three Billy Goats Gruff" です。
ノルウェー語では "De tre bukkene Bruse" です。
英語原題: "The Three Billy Goats Gruff"
"Gruff" は「しわがれ声の」といった意味です。
ノルウェー語原題: "De tre bukkene Bruse"
"Bruse" は「うなり声」や「荒々しい」といった意味です。
ですと。なるほど素晴らしい。
その話しは当然出てくるのだろうと思っていたら、とんちゃん
「どういう意味なんでしょうねぇ。。。」
オイオイ、そこは気になってなかったのかい!】
↓
はい。
すかさず調べてくださってありがとうございます。
「がらがらどん」の原題について、華麗にスルーして終えようとして、そういえば・・・ついでの感じで、あっちゅさんに振りましたよね。
すかさず、この意味を答えてくださいました。
ナイスフォローありがとうございます。
原書の英文は、全部、読めそうな人に読んでもらいました。
直訳もその場で得意そうな人にしてもらいました。
ありがとうございます。
任せるところは、人に任せる精神です。
■生活クラブでお世話になっている上澤幸子さんは、3日間とも参加してくれました。
生活クラブの地区便りにこんなふうに載せてくれました。
(以下引用)
絵本って子どものモノって思いがちだけと、上甲さんのお話を聞いていると絵本は”絵画”と”純文学”の融合物、芸術と文学を同時に楽しめるラッキーなモノなのかも。
芸術って言葉にならない感情を伝える手段で、文学はその言葉にならないものをあえて言葉で語ろうとする試みだとすると、この両方を融合した絵本ってステキですよね。
作家さん・画家さんの想いが詰まった絵本、生活クラブの消費材ひとつひとつと同じように1冊1冊に出来上がるまでのストーリーがあり見えない苦労や努力があるんだなぁと実感しました。
想いを持って作り出されるモノには価値あり!
(引用ここまで)
絵本とは・・・「芸術と文学を同時に楽しめるラッキーなモノ」
すごくいいなあ。
ブログにも書いてみました。
↓
赤ちゃんは信頼されていることがちゃんとわかっている『いないいないばあ』
瀬田貞二さんが「あれしちゃった」 『三びきのやぎのがらがらどん』
絵本でほっこりの会 メニュー一覧
【メニュー】読み聞かせボランティア入門講座 〜自分らしく、楽しく続けられる〜
目次
- ○ いただいたご感想
いただいたご感想
・絵本のなりたち、背景、作者を知る事ができて、興味深く楽しかった。
・1冊の絵本について深く読みこんだり、作者のことを調べて絵本ができたバックのことを知る楽しさを知りました。また、なかなか気づかない視点も気付かされました。ことば選びの大切さを気付かされました。絵の色の変化がうったえることもとても重要だと感じました。
・今回もおもしろかったです! あっという間の2時間でした。
・特にいないいないばあ、ヤギのがらがらどんは作者たちの深い考えと洞察があり、めちゃめちゃ勉強になりました!!
・上甲さんの世界を体験させて頂いた3回講座でした。絵本を再び手に取ってみたいと思いました。
まだまだ子や孫にも紹介してゆきたいと思います。
・もっとお話しを聞きたかったです。
・3回とも時間があっという間にすぎていく充実したひとときでした。
何気なくさらーっと読んでしまう絵本ですが、絵やストーリーだけでなく装丁や翻訳、文章にもその他細かいところにこだわりがつまっていて大人よりもむしろ子どもがそれを分かっていて、だから人気なんだろうなと感じました。
・2回目の参加ですが、前回同様、へぇ~と思うようなお話が沢山聞けて楽しかったです。
・「いないいないばあ」はあまりに有名で、あぁアレね!って思ってたんだけど、今回改めて読んでみて、この「ばあ」って出てくる動物の表情のなんと生き生きしていること!そして「いないいない」と言ったあとの「ばあ」がくるワクワクを感じることができ、ああ子どもはこの感覚を喜ぶんだなぁ…と納得。
「三びきやぎのがらがらどん」は、子ども劇場でも何度も上演されているし、確かに教科書にも…ですよね!なので、こちらも「知ってる」って思い込んでいたのですが、ジックリ絵を観たり本ができるまでの経緯を聴いたりすると深いなあ…と。
「すてきな3にんぐみ」も(どの本もですが)いつもサラッと読んでしまい、今回も間違わずに読まなければ、ということに気がいってしまって、絵を鑑賞する余裕もなく…。
・とても楽しくあっという間の2時間でした。本の内容だけでなく装丁や訳者さんについてのうんちくは、今まで自分は全く考えの及ばない領域で新鮮でした。今まで、うっすらとしか絵本を読んでいなかったな~とふり返ってます。
・あのくまがこのくまだったんですね。やはり、いないいないばあの内容だから買うのではないか。
がらがらどん名じなんですね。どんはニックネームの印象があるけれど、これもほんやくのみょうですね。
すてきなという言葉いいですね。
・3回もお話を聞かせていただき、上甲さんの熱量だけでなく、まわりの受講生の方々の積極的な姿勢にも、よい刺激を受けました。

