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読み聞かせボランティア

中学3年生に10分で絵本を4冊 累計発行部数 3位と1位の絵本

中学校に読み聞かせボランティアとして朝の10分をいただけることになって、2025年度で2年目となりました。

「中学生に絵本?」と半信半疑だったかもしれない大人たちも、当事者である中学生たちも、
「中学生に絵本、いいね」とちょっとずつ実感してもらえていたらいいなあ。

中学3年生に読めるとなると、異様に張り切り過ぎて、読みたい絵本がざらんざらん。
10分。
これとこれ、2冊かなあ。
いやでも、これも読みたいし、だったら、これも読みたいし。
あれやこれやと考える時間も楽しくて。

朝、雨だったので、上下高性能雨合羽、長靴に身を包み、脱いだり着たりに時間がかかるし、道路もなんか混んでいる。

ギリギリに到着し、
廊下で待っていると、国語の先生がやってきて
「今日は何冊読むんですか」と聞かれました。

「読みたい絵本がいっぱいで。でも10分だから、すごく迷いました」

「そういえば、この前の休み時間に
『りんごりらっぱんだるまきじゃくじゃく』って呪文のように唱えている生徒がいて。
去年読んでもらったしりとりの絵本ですよね。
絵本が記憶に残ってるんですね。」

「えええ〜!!
覚えていてくれてるんですか」
と鳥肌。

このときに読んだ絵本です↓
(ややこしいあれこれを抱えているかもしれない)中学1年生に朝の読み聞かせ




さて。
中学3年生に読み聞かせ。

結局、4冊、持っていって、4冊とも読んでちょうど10分のチャイムが鳴りました。

どんなだったか、書いてみたいと思います。

中学3年生ともなりますと、体も大きく、人数も多く、教室に生徒たちがみっしり詰まってる感じがします。

大人の階段を登りつつある彼らの圧の高めの気が渦巻いている感じもあります。

1冊目。
食べて食べて食べて、ジャンクなものも食べて、何が自分に本当に必要なのか、なかなかわからなくて、たまにお腹が痛くなったりして、自分が本当に欲しているものを食べて、太って、繭にこもって、変容して大人になっていく彼らに、この絵本を読みたいと思いました。

『はらぺこあおむし』
(エリック・カール もりひさし 偕成社 1976年5月初版 1989年2月改訂)

表紙を見せると、嬉しそうでした。

「知ってる」
「知らない人はいない」
「名作」
「うちにある」と口々に。

実は、改訂される前の初版の絵本があったので、絵の違いも見てもらえたらと持参してました。

「どっちがいい?」と聞きました。

「古い方がいい」との声がちらほら。

「じゃあ、誰か手伝ってもらってもいいですか?」

一番前の席の元気な男子が名乗りをあげてくれました。

「わたしが読むのに合わせて、ページをめくってくれますか?」

最初、息を合わせるのに、ちょっとコソコソしました。
みんなも応援してくれました。

近くで見ないと、違いはわかりづらいかもしれません。

テキストが違うページもあるので、わたしが読んだあとに、彼に読んでもらいました。

最後、表紙に戻って見せるところも、息を合わせて、手伝ってくれました。

ありがとう。

「まだ、読んでもいいですか?」
と担任の先生に聞きますと
「もちろんです」
とのことでしたので、2冊目はこちら。

『どっとこどうぶつえん』
(中村至男 福音館書店 2012年5月)

「これ、なんですか?」
「ドット」
「だね」
「ゾウ」

この絵本は、テキストがないのですが、ページをめくるだけで勝手に盛り上がってくれます。

「ディグダにしか見えない」
「マントヒヒ!」
「ヒヒ!」

「じゃあ、もう1冊、読んでもいいですか?
今度のはもうちょっと難しいですよ」
と絵本の表紙を見せると笑いが起きました。

3冊目。
『どっとこむしずかん』
(中村至男 福音館書店  こどものとも年中向き 2023年7月号)

「毛虫」
「毛がどこにあんだよ」
「ハンミョウ!」

これも読み終わって、まだ時間が2分あるとのこと。

「じゃあ、日本で一番売れてる絵本を読みたいです。
なんでしょう。
ちなみに、さっきの『はらぺこあおむし』は・・・」

「2位?」

「惜しい! 3位。2位は、アレで、1位がコレ」

「アレって?」と先生からツッコミ。

「一位はダントツでコレ」

みんな口々に絵本のタイトルを言ってくれる。

『ねないこだれだ』

『ミッケ』

『ウォーリー』

『ハリーポッター』

「1位は、こちらです」

表紙を見せると、「あー」という声。

そして、またもや、笑顔。

『いないいないばあ』
(松谷みよ子 瀬川康男 童心社 1967年4月)

「家にある」との声も。

読んでも笑顔。

「可愛い」
「のんちゃん」

読み終わって、ちょうど、キンコンカンコンのチャイム。

「ご協力ありがとうございました」と手伝ってくれた彼にお礼を言って、帰ってきました。

いや〜。3年生、可愛かった。



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